この世界の概要。ステータスについて。
まずは、用語説明から始めます。
この世界には、様々なステータスがある。
まずは、能力値。全部で6つある。
腕力。これは、文字通り腕力のこと。攻撃力に影響する。
体力。これは、耐久力。物理防御力とWPに影響する。
速力。これは、俊敏性。攻撃の速度や回避力に影響する。
魔力。これは、魔法の素質。魔法の威力とMPに影響する。
精神。これは、回復力や、魔法防御力に影響する。
生命力。これは、文字通り生命力のこと。HPに影響する。
この能力値をもとに、その人の現在の強さは形成される。
攻撃力。これは、腕力と武器の性能の合計の数値。
防御力。これは、体力と防具の性能の合計の数値。
素早さ。これは、速力と防具の性能の合計の数値。
魔法力。これは、魔力と武器の性能の合計の数値。
魔方防御。これは、精神と防具の性能の合計の数値。
HP。これは、生命力を数値化したもの。ゼロになると死。
MP。これは、魔法を使用する際に必要な数値。それぞれの魔法に必要なMPが決まっており、魔法を使用する度に消費する。ゼロになったら魔法を使用することは出来なくなる。
WP。これは、攻撃技を使用する際に必要な数値。それぞれの攻撃技に必要なWPが決まっており、攻撃技を使用する度に消費する。ゼロになったら攻撃技を使用することが出来なくなる。
これとは別に、もうひとつの能力値がある。
それは、成長素質というものである。
成長素質とは、レベルが上がる度に上昇する能力値のことである。
たとえば、現在の腕力が15で、腕力の成長素質が3であるなら、レベルが上がったら、腕力は15から18になる。
成長素質も、それぞれ、腕力、体力、速力、魔力、精神、生命力がある。
ということから、その人の総合力を見る場合、単にレベルが高いから強い、ということではないのである。
レベルが低くても、成長素質が高ければ、総合力も高くなるのである。
だから、この世界では成長素質が一番重要な強さの要素になっているのである。
この成長素質という物は、基本的に生まれもって決まっている数値である。言い換えると、人が各自持っている才能というものである。
この成長素質を見て、各自様々な職業に就くことになる。
ここで言う職業とは、サラリーマンとか、公務員とか、現代社会にある物を指していない。
戦闘における役割等を示すものである。
基本的な職業を一部だけ紹介しよう。
戦士。腕力が高い者が好む職業。あらゆる武器を使いこなすオーソドックスな前衛。
武闘家。腕力よりも、速力が高い者が好む職業。素早い攻撃で敵をなぎ倒す。
僧侶。精神が高い者は、この職業に就くことを推薦される。仲間を回復する貴重な戦力。
魔法使い。魔力が高い者が好む職業。高い魔法力を駆使して魔法で敵を倒す。
この世界では、ステータスとは、能力値、成長素質、職業、レベル、覚えたスキルのことを言う。
だが、上記にもあるように、一番重要視されるのは成長素質である。成長素質が高い者は、どこへ行っても重宝される。成長素質が低いものは、いくらレベルが上がっても強くなりにくいため、大きな依頼を受けることは出来ないのである。
この成長素質は、適正な職業に就くためには非常に便利な物であるが、成長素質が低いものにとっては、未来を閉ざされた現実を見させられるという厄介な物でしかないのだ。
成長素質は、生まれもって決まっている数値であるために、どんなに努力しても、レベルが上がる度に他の者と差が付いてしまうのだ。
成長素質が低い者は、装備やスキル等で弱さを穴埋めしていくしかない。だが、成長素質が高い者が良い装備や強いスキルを持ってしまうと、とても敵うものではないのだ。
しかも、良い装備はとても値段が高い。成長素質が低い者は、金を稼ぐのにも苦労する。だから、ますます差が付いていってしまう。
良い装備が手に入らないということは、強い敵と戦うことも出来ずに、なかなか経験値を得ることが出来ない。
レベルという物は、一定数の経験値を度に上がっていく。
つまり、経験値を得られないとレベルも上がっていかない。
さらに差が付いていってしまうのだ。
スキルも、就いた職業のレベルが上がっていき、あるレベルに達することで覚えていく。
レベルが上がらないことには、スキルも覚えることができないのだ。
ますます差が付いていってしまう。
このスキルを使うことで、より強い敵と戦うことが出来ることになるのだが、レベルが上がらないことには話にならないのだ。
このスキルという物は、戦いの際に使用する特殊な技術のことである。
戦士であれば、初期の段階で(レベル2になると)覚える『強斬り』という攻撃技である。これは、通常の攻撃よりも、少し強い攻撃力で相手に攻撃出来るという便利なスキルだ。
魔法使いであれば、様々な魔法を覚えることが出来る。
また、スキルには各自生まれながらに持っている『裏スキル』という物を持っている。この裏スキルは、戦闘的な物から、戦闘に向かないものまで様々なものがある。
たとえば、『視界良好』。これは、どんなに濃い霧に覆われても、周りをはっきりと見ることが出来る。これは、非常に便利な物だが、全く役に立たない裏スキルもあるのだ。
優秀な裏スキルを持っている者は、ごく僅かであるが、優秀な裏スキルを持っていれば、成長素質が低くても、ある程度は高い成長素質を持っている者に対抗できるのだ。
この成長素質は、生まれた時に診断を受けるように義務付けられている。ただし、裏スキルの診断は、簡単には出来ない。
世界的に数少ない上級職の中で、僧侶の上位である神官が覚えることが出来る『裏鑑定』というスキルでしか診断できないからである。
だから、ほとんどの者は裏スキルを知ることが出来ずにいるのだ。