領主様のために。
第13章
今日は少しのんびりしている。その理由は、フリルとアムミツが学校に通い始めているから。
それぞれのメイドが二人についているので安心だ。ロケッサは本当はアムミツと一緒に通うはずだが、この街でこんなに小さい六法最高峰の合格者がでたのが初めてで、おまけに領主と言う大切な仕事もあるので通っていない。
そう、彼には、必要ないのだ・・
しかし友達とかも必要ではないかと、普通の親なら思うだろうが・・・
私は前世で子育て経験がなく、自分も転生人で、この子はこの世界のいい所の子の、転生人だと確信している。
なぜならミートスの書類をいちいち添削する。よい子なのだ。
しかし一番の心配はフリルだった。まさか学校に行ったことが無いなんて・・・お母様の近くに居たくて家庭教師に教えてもらっていたとは・・
地震の後に沢山の子供たちがこの庭に集まって少しずづフリルとアムミツは他の子供との触れ合いを初めた。
子供たちは学校に通うのが当たり前・・そして、貴族の子供たちは王都の学校に通う。しかし・・読み書き、計算ができないのはいただけない・・領土の発展するためには必要になる。
大人たちは学んでる暇がない、片付けと仕事、家事に追われている。
それで、少しずづ暇があれば子供たちに教えて行った。オープンスクール。
最初は子供たちに童話などを話してあげて。地面に一文字書いて教えて、また話して一文字教える。
ミートスは転生後、お約束のように読み書きができていた。
メイドの3人のうちルシアだけは読み書き、計算もできた。サムには、最初に教えていた。
そして、日が経ち、時間のある人間が教えるようになった。その中にフリルも含まれていた。
余った材木があったので一列の椅子と机を作り、紙と鉛筆を用意した。
後、黒板が・・・と思っていたら持ってきてくれた人が現れ、ポートリーは小さな学習塾を経営していたらしく、ここで教えて、炊き出しをもらいたいと言った。
学習についてはわからないので、とにかくすべての子供を受け入れ、読み書き、数を数えるなど基礎的なことをしていた。自分の名前を書き、お父さん、お母さん、家族の名前を書くだけで子供たちには面白かったらしい。
その中にいるフリルも素晴らしく可愛い女の子だった。フリルの後にはアムミツが続く、アムミツがまた賢い子で一度フリルが教えると覚える。
アムミツは小さなお手手で文字を書いていく。時にはフリルがバイオリンを弾いて子供たちに聞かせていた。
おままごとの学校が続き、フリルやアムミツの為に大浴場の建設の傍らに屋根もつくり、水飲み場やトイレも併設して、オープンスクールをポートリーに任せ、ルシアに監視をさせた。
子供たちの年齢もまちまちで、少し大きくなると男の子は工事現場に出向き働きながら学んでいる。
働くための知恵をここでは与えるのが、それ以上は近くの高等学校に入学するしかない。
ここにいる間に建築や医療、農業、飲食、接客業など色々な職業に触れて結びつくことはうれしい。この形をもとに他の地域にもオープンスクール建設を進めた。
今、二人は高等学校に通っている。最初に年齢の制限を決めなかった、より学びたい人を受け入れる単位制の学校に変更した。単位は永遠に・・卒業は自由にした。高等学校は無料ではないが助成をしている。
付き添いも自由に、フリルにはキルルがそのままつき、アムミツにはボルンが付く、サムは医学、経営を学ぶために朝から遅くまで通い、二人の女の子の用心棒でもある。今は、ロッテの稼ぎで生活できる、しかし、ヨーダを師に仰ぎ沢山を学び多方面で活躍している。
ミートスは思う・・・
領主様・・こちらは順調です。順調に進んでいて申しわけないようです。だから、何か領主様の役に立ちたい。そして、一日も早く私たちのもとに戻って来て下さい。
「奥様、ロケッサ様が山に入られるようです」
「そう?私も行くわ。舟の用意をお願い‥」
屋敷の裏に排水路として流れている小川がある。そこから舟に乗って人目を避ける様に船を出す。
山の入り口は、一部の人間しか知らない。
「ミートス様、着きました」コージーが伝える。ここはコージーが責任者になっている。
小舟は田んぼや畑、森を抜けて進む、見た目には、肥料や材木の運搬と見せかけている。乗船できる人数は4・5人。
対外的には資源タウンで鉄製品、燃料、山タウンで、木製品、紙、果実などを生産している。
しかし、ローズタウンはすべの物が揃っていた。
ここは秘密の製鉄所、武器製造所と言っても過言ではない。
「領主様の父親の轍は踏まない」と言う言葉の意味を、知りたくて、あの後、調べた。
領主様のお父様はかなりの駄目な領主だったらしく国に払う税が足りないと領民を戦争に行かせ、減税の恩恵を受けていた。この地は貧しい土地で領民にも重税を課していた。おまけにDV野郎!!
ロケッサが言うには、一度この事例がある場合は戦争が起きたらまた同じような要請が国から来るかも知れない、それを断ち切るために領主が戦争の最前線に向かった。
山に着いて、ロケッサが先に降りる。
「どうですか?小型の鋼鉄の槍は出来上がった?」
「はい、順調に出来上がってます。これを連続に発射できれば最良の武器になるでしょう」
ミートスは大きな歯車の出来を確認する。歯車がいくつも出来上がり水車のように回転して川の流れを変えようにしたい。
「どうですか?ダメなら街で募集をしますが、しかし、なるべく極秘で行いたい」
「はい、今のところ上手くいっています。実際、労働したくてもできなかった人が犯罪に手を染めることが多かった、キツイ仕事でも食べられて、部屋があり、家族に仕送りもできる。上手くいってます」
(山で働く人を募集しようと思ったが、牢屋に入っている体格の良い男の人たちを見てこの案が浮かんだ・・働かせよう・・ただ飯は駄目だ・・刑期が10年以上の人に限って採用し)
「仕送りを受け取った家族からの感謝の手紙などが支えになっているみたいです」
「後2年は面会できないとキチンと話してください」
「はい」
「山の開拓はどう?」
「はい、木を覆うように平地をつくり、そこを砦にしています。街からは見えないように細心の注意を払っています」
「岩場が多い場所を探し当てるのに時間がかかりましたがここが最適でしょう」
「そうね。ここは街が一望できる。高い場所、そして避難所も兼ねているもう一つの村」
「ここが、使われることのないことを、祈りましょう」
「もうすぐ、ここは山から砦に、変わって行くでしょう。もしも、領主様が、一時でも戻られたら沢山の武器と保存食を持たせてあげたい」と心に刻み砦に立つ。ミートスとロケッサだった。




