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歴史における通説と私見  作者: 鹿島三塁手
第二章 大暴れ将軍吉宗、その実像と虚像
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私見2 享保の改革

吉宗は名君と呼ばれていますが、それは徳川宗家幕府としての崩壊をゆっくりにしただけであり、抜本的に帰れなかったことがあります。

 次に吉宗の行った改革について意見を述べたいと思います。享保の改革と打ち間違えて「恐怖の改革」と出てしまいましたが、ある意味その通りかもしれません。


 まず彼の口癖だった「権現様のなすように」というのに彼はこだわりすぎました、時代が違うのです。家康が質素倹約を行った時代は一大名しかなく、他にお金を多く使い経済を回す、織田信長や、豊臣秀吉がいました。そのため家康が個人で倹約をしても大勢に影響はありませんでした。関が原の後も、秀吉の供養として、豊臣家にお金を遣わせるのと同時に、江戸の街づくりという、今でいう公共投資が続いており、大坂夏の陣が終わるまでは戦時景気が世の中を回していました。そして大坂の陣の1年後に家康はなくなります。彼はなくなるまで自分が中心となり経済を回すことの意味を知りませんでした。ですから主食となる米に価値を置き、「米本位制度(こめほにせいど)」から抜け出すことができませんでした。


 その後の徳川将軍を見ても平凡だったりする人はいますが、明らかに才能のなかった人は見当たりません。ですが戦乱の世が終わり綱吉のころから安定しはじめて、元禄文化というものが花開きます。様々なものが物々交換でなくお金で買え、趣味し好品の類も増えます、これは人が生きていくために欠かせないものではありませんが、心を豊かにしてくれるものです。「人はパンのみに生きるものにあらず」です。しかしそうなれば、し好品だけでなく、すべてのものの物価が上がります。しかし幕府は米を基軸とした方針を変えません。そうすると、家康ののこした遺産に手を付けます。吉宗が将軍になったのはこのころです。


 時代的には「米本位制度」から「金もしくは貨幣を基軸に置く、金本位制度」に転換sていかなければならない時期でした。それを理解していた幕臣は私の知る限り260年に3人存在します。一人は綱吉時代の荻原重秀(おぎわらしげひで)、幕末の小栗忠順(おぐりただまさ)、それと吉宗が紀州から連れてきた小姓の息子である田沼意次(たぬまおきつぐ)です。


 彼ら三人は米を基本とし、年貢を主たる収入とする制度だけでは幕府ひいては国が成り立たないことに気づき、改革をしようとしますが、逆に時間を先に進めるほどの天才でない人たちには、今の制度を破壊する存在として煙たがられます。吉宗も米主体の経済運営と、幕府の倉が埋まればよという発想から逃れ切れていません。華美を禁止し,贅沢を批判する、確かに幕府にはお金がたまるでしょうが、つまりそのお金が市中に出て循環し、市井の人々を豊かにはなることはありません。一人占め状態です。


 そのうえ年貢を一定とし、その上、他家より上納させても足りず、税率を上げても新田開発をしても足りません。当たり前です。一年のうち人の食べるコメの量は決まっており、それ以上になれば米価が下がり、皇帝給与である大名ら武士はどんどん貧乏になってゆきます。尾張宗春が華美贅沢の緩和をしお金を市中に回したのは、そういう効果を知っていたわけではないと思います。しかし宗冬の政策に、商家からの法人税や物品税を加えて行えば、文化や成長が衰退することなく進むことができたでしょう。

 そう考える田沼意次のやり方も間違ってはおらず、吉宗の孫である松平定信、天保の水野忠邦の改革が不可能だったのも理解できます。

 現代に直せば、事業仕分けは1年目は効果はあるが、その後は無意味になるのと同じです。ですから私は享保の改革は失敗であると思います。正確には成功する時期はもう過ぎていたというのが正しいでしょうか。


 享保の改革名前はよく耳触りもよいものですが、実際は幕府一極に富の集まる制度で、商品取引をして利益を出している商家には場所代としての座の代金と少しばかりの税しか課していません。

 江戸時代の学問は水戸学から派生した国学と、講師の思想である儒学が中心であり、どちらもお金を儲ける行為を卑しいものと見ていたための結果でしょう。学問をすればするほどその意図にからめとられ、産業革命も、ルネサンスも経験できなかった日本の不幸がここにある気がします。 


私なりの採点だとぎりぎり赤点回避くらいでしょうか。その中に不変なものなどなく、変更しなければならない時にやりきれない。それが一番不幸になる結論なきがします。

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