お金のない世界
私が生まれ変わったのは生きていた頃よりも300年後の世界だった
死因はたしか老死・・・だったきがする
記憶が戻ったのは5歳の時だった
言ったら変な子扱いされると思われたのでとりあえず黙っていた
今は何年か親に聞いてみると前世よりも300年後だった
そのことについては驚いたけどそれよりも300年でここまで変わるのかという驚きが勝った
「ねぇパパ。お金ってないの?」
「お金?よく古い言葉を知ってたね千尋」
お金が存在していなかったのだ
思えば今まで店に行った時は駅の改札のようなものがって、みんなそこにカードをかざして入っていた
店の中にも改札のようなものがあって、親にそこに行ってみたいといったけれどもっと大人にならないと入れないんだよと言われて入れてもらえなかった
いや、それよりも・・・
「レジもなかったし、店員さんはいたけど店のものをそのまま外にもってでても誰も注意されてなかった…」
どういう仕組みなんだろうか
気になった私は親に内緒で図書館に向かうことにした
しつこく聞いて変に思われてもやだし
図書館は幸い家から歩いて10分のところにある
親にも一応きいたがパパかママが同伴ならいいよと言われてしまったので内緒なのだ
丁度パパが仕事でママが買い物に行くときがあったのでその日に決行した
外に出ると車ではない車のようなものが走っていた
まあ、私にとっては見慣れた景色だ
勿論町並みも大分昔とは違っている
歩いている内図書館について目当ての本を探す
あった、日本の歴史
読み出すと厚いだけあって鎌倉幕府がどうのこうのとか戦国時代がどうのとか大分古いところまで書いてあった
そこを飛ばして目当てのページを探す
今から200年前・・・世界政府の合意によってお金というものがなくなる
まあ、つらつら書いてあるが要は格差をなくすということらしかった
あのパパとママが使っているカードはマイカードというらしかった
あのカードがお金替わりで、小学校、中学校、高校、大学、社会人、老後の区切りでカードが使い分けられているらしい
どうやら小学校未満の子は親のカードで店に入るみたいだ
あと、わかったのは企業という概念はほとんどない
中小企業はなく例えば食品系ならそこから分岐されてパンならパン部門という形で全国にあるパンはそこのみから作られているらしい
つまり、パンならパン会社は全国で1社しか存在しないという概念だ
読み進めると働くことはどうやら義務らしい
そして、働くことに基準があり
1日5時間労働で夜勤はなし週に最低3日休み
退職年齢は普通50歳だが続けたい人は何歳まででも可とかいてある
まあ、まだつらつら書いてあるが面倒なので省略
どうやら働かないと社会人のカードはもらえないようだ
まあ、当たり前か
あと、大学はもう働いている大人でもいきたい職業によって自由にいけるらしい
これが基準だということはもう社畜なんてものは存在しないだろうなあと思いつつ読み進めるがそれ以上のことは書いていなかった
今の時代に生まれて良かったなと私はつくづく思った
ちなみに店の中にあった改札のようなものの先にあるのはいわゆる18禁とかそういうコーナーだったらしい
私には当分まだ早いや