6話 吏架との邂逅
「失礼しまーす」
..........なんか変なの来た。グラサンでマスクで帽子深くかぶってる変人が来た。とりあえずカマかけてみよう。
「はい、却下ー。君ここ出禁ねー」
「なんでですかっ!?なんで私初っ端から出禁食らってんですかっ!?私はここの生徒ですよ!」
おっ、やっぱここの生徒らしい。んじゃ次。
「いやぁ信じられないなぁ~」
「この制服見てわかんないんですか!私は瀬丹高校の1年3組、宮部吏架ですよっ!これで信じて頂けましたか!」
「それじゃ正体分かったところでその変装取ろうか、アホの子さん」
「っ!!.......不覚をとってしまいました。後私はアホの子ではありません!」
そう言って変装アホの子、宮部吏架は変装を解いた。
この宮部吏架は、黒髪ストレートのいわゆる大和撫子な女子だった。しかし全く興味がないので話を進めることにした。
「さて、宮部吏架さん、残念だけど相談受付時間は終了しました。又のご利用をお待ちしております」
「ちょっ、ちょっと待ってください!それだとただ私が変装アホの子だと言いに来ただけになってしまうじゃないですか!」
「そんなん知らんがな。さて明夏、帰る.........いや、やはり相談を受けよう」
「ほぇっ?まぁ、ありがたいですけど....」
だって後ろの明夏さんがなんかもう凄い紫っぽいオーラ放ってるんですもん。これは経験則により、従わざるを得ない。
「それで?一体どんな御用でしょうか?」
すぐさま営業スマイルでキメる俺。こうなった以上、真摯に向き合わなければなるまい。そう思って紅茶と茶菓子を出す。
「はい、しかし相談する前に一ついいでしょうか」
「はい、なんでしょう?」
「できれば2人だけで話したいのですが.........」
そう言って明夏を見る。
「あぁ、すいません。ほら、さっさと行って。後でハー○ンダッツ奢るから」
「ホントに!?ちゃんと約束守りなさいよ~!!」
そう言って意気揚々と出て行った。
「仲、良いんですね」
「ありがとうございます。で、話というのは?」
「......やはり敵いませんね、あの方の息子さんにも」
「そうすると両親が、俺に何かを伝えたいという事ですか?」
「はい、そうです。貴方----駿弥さんの御両親、倫哉様と花純様に頼まれて、伝えたい事があり、ここに来ました」