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  作者: 二葉 サナエ
6/20

第5話 バナナ

PM 0:45

そんな訳で、またまたやって参りました。

屋上でっす! 

カモメが飛んでおりまっす!

…つーか、校長室を屋上に造ってんじゃないわよ!

何? スウィートルームみたいな気分な訳?

「校長曰く、ここに校長室があることで、よからぬ事を考える生徒が減るんだと。」

なーるほど。ま、確かに。

目の前に南国ビーチと、海の家みたいな校長室があったら、飛び降りる気も失せるわな。

って、校長! 

絶対それだけじゃないでしょ! 絶対私情が入ってるでしょ!

「いいじゃないですか。ここは快適ですよ〜。」

ふ〜ん。冷蔵庫にクーラーにシャワールーム完備ですか。

もう、完ッ璧、リゾート気分じゃん?

いーなー。学校でリゾートなんてさ。

「だから、学食造れないんだ…。」

そーよ! 美紀ちゃん怒ると恐いんだからね! 

反省なさい! 校長先生。



「それより校長。」

って、美紀ちゃん。

こんなに長いツッコミさせた後で、何事も無かったかのように話し始めないでくれる?

「何ですか? 米坂君。」

もういいわ…。あたしゃ疲れちまったよ。

「『何ですか』って…。私は校長に呼ばれて、ここに来たんですよ?」

その通りです。自分で呼んどいて、『何ですか?』 は無いんじゃない?

「そーでした、そうでした。では、ちょっとこちらへ。」

あ、人に聞かれちゃまずい話? でもナレーターには聞こえちゃうんだな〜。



「今日の泳ぎ、見せてもらいましたよ。やはり早いですね〜。流石、県大会1位の腕前。」

「どうも。」

あれ、美紀ちゃんあんま嬉しそうじゃないね。

「しかし、もう大会には…。」

「はい。どうしても、大会とかになると…。」

「そうですか…。残念です。」

そうそう。

美紀ちゃんは、ある事件がきっかけで、大会じゃ泳げなくなってしまったのです。

トラウマってやつねぇ…。

校長も惜しい事したわね。

美紀ちゃんが大会に出たら、一発で優勝できちゃうよ。

そしたら学校の知名度も上がって、色んなとこからお金がガッポリ入ってくるのに。

「ですねぇ…そしたら、校長室にサウナでもつけようかと思っていたのに。」

うんうん。…って、おい。

これ以上校長室を、どうしようもなくするんじゃありません!



「よぉ。終わった?」

「待っててくれたの? ごめんね。」

そうよ〜。幸平君ったら屋上の階段の所でずっと待ってたんだから。

「バナナ、食う?」

「えっ、どこから…。」

「ビーチに木があるんだよ。」

「へ〜。ありがとう。」

おいおいおい。学校の屋上でバナナとか採れちゃ、まずいんじゃない? やっぱ。

「で、何の話だった?」

「ちょっとね…。」

そりゃ、言えないよね…。

「水泳の事?」

「えっ、何で…。」

そうだよ、何で知ってんの!? まさかアンタ、盗み聞きしてたんじゃ…

「これでも、色々と情報は入って来るんだよ。」

…恐ろしや。高校生の情報網。侮れませんな。

「じゃ、全部分かってたんだ…?」

「まーな。 まだ、傷痛む?」

傷ってのは、手首の傷の事かな?

「ううん。だいぶ良くなったから。」

「そうか…。」

………。

っと、ここで。

今回は、何か謎を残したまま終了。

気になる人も、ちょっと待っててね。



明日の一時限目は…とりあえず自習!


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