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  作者: 二葉 サナエ
5/20

第4話 プール

AM 9:20

グラウンドには、高校生達の掛け声が響いている。

本日一時限目は体育なり。

そして、男子は陸上ということで、ひたすら走り続けている。

では、女子は?



「ズルイよな〜。なんで女子だけプールなんだよ!」

「俺もプール入りて〜!」

そう。女子は夏の醍醐味、プールなのだ!

もちろん、男女一緒にプールなんてベタな事はいたしません。

ほ〜ら、女の子達の楽しそーな笑い声が、聞こえてき…

…あれ? 聞こえこないないね? 何でよ、幸平君?

「あ〜、うちの学校、プールは屋上にあるから。」

へー。そりゃまた高いとこに造ったわね〜。きっと建築費も相当高かったでしょうよ。

てか、ここは市立高校だよね? 同じ“シリツ”でも、“私立”じゃないからね。

まぁ、いいや。とりあえず、屋上へGO!



雲一つ無い青空。澄み渡る空気。

マリンブルーの水が、ダイヤのように輝いている。

真っ白な砂浜には、南国を思わせる草花が鮮やかに茂り、所々、フルーツをつけた木々もある。

あぁ…ここは何処?

ハワイ? ソロモン? フィジー? それとも…

「屋上です。」

…ですよね〜、校長。

だって今、階段上ってきたんだもん。中央棟の階段上って、ドア開けたんだもん。

なのに、イキナリ南国のビーチとか着いちゃったら、これもう違う物語になっちゃうよ?

未来からやってきた、ネコ型ロボットとかのお話になっちゃうよ?

近づいてるかもしれないけど…。

一応、一線越えちゃいけないところは超えないように気をつけてるのさ!

偉いっしょ?

…自分で自分誉めても嬉しくネーヨ。グスン



エーン! 美紀ちゃ〜ん!

「キャー! 美紀ちゃーん!」

「すっごーい!」

? 何? 心の叫びが聞こえちゃった?

なわけ無いじゃん。これナレーションだし。聞こえちゃまずい訳だし。

「ほう、流石ですな。米坂君。」

やっぱそー思う? だって美紀ちゃん昔は…。

って。校長、アンタいつからそこにいるのよ。

「フッフッフッ…。校長はいつでもあなたの傍に…」

イヤ〜! 恐いよ〜! 誰か助けておくれ!




PM 0:30

一時限目から、跳んで飛んで、もうお昼。

本日も売店に向かうお二人さん。

「つか、何でお前んとこ弁当作ってこねーの?」

素朴な疑問。

「並木君とこは?」

質問に質問で返すなってのに。

「うちは共働きだし。」

そうそう。ママも忙しいのよ。

「そっか。大変だね。」

「で、お前んとこは?」

「…うち、作る人いないんだ。」

あれ?何だか…

「ふ〜ん。」

そこをさらっと流すな、青少年よ!



また飛んで、もうパン買ってきて、今その帰り

「あっ。私、校長室行かなきゃ。」

何よ突然。

「なんで?」

「何か、転校の手続きでちょっと…。」

色々あるのね。

「じゃ、行くか。」

えっ、あの校長のとこ行くの? やだよ〜。

「何処だっけ?校長室って。」

知らないな〜。

「ん? 屋上。」

「へ〜。」

校長。ホント怒りますよ。




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