第3話 帰宅部
PM 1:20
「…ですから、縄文土器や土偶などは、今なお人々を惹きつけてやまない不思議な…」
日本史の授業は、とにかく眠い。と、校内でも有名だ。
担当は、40代後半の、独身教師。
この話というのが、また、とっっっても面白くない。
まるで、{お前らが、日本の歴史について知ってどうなる? 理解する必要なんかないだろ?}
とでも言っているようだった。
という訳で、本日もクラスの大半が、古代遺跡と共に夢の世界へと旅に出たわけだ。
もちろん、幸平もその例を逃れず、皆と仲良く Dream land へと遊びに行ってしまった。
ところが、その横で一人、黙々と勉強を続ける少女が。今日来たばっかの転校生。
おいおい…。在校生より転校生のほうが勉強してるってどういうことよ?
「次、156ページな。」
教師が教科書のページ指定をする。美紀もページをめくろうとした。しかし、幸平の手が上に乗っかっていてめくれない。どかそうにも…ちょっと気が引ける。
「ごめん。並木君…。起きて〜。」
「う…ぅん。」
駄目だ。然っ然、目覚ます気ないよ。この人。
「も〜、並木君っ…」
―ピシッ―
一瞬、一本筋の風が、通り抜けた気がした。
「った!」
続いて、幸平の叫び声。
「どうした、並木!うるさいぞ!」
生徒が痛いって言ってんのに、うるさいはないでしょうよ、三上先生。
それより、一体どうしたの? 幸平君?
「大丈夫?並木君。」
そしたら、その横で、同じような質問をしている少女が…。
笑顔で教科書のページをめくっております。
…。この人だったりしないよね? …まさかねぇ〜。
PM 4:30
授業も終わり、帰りのホームルームも終わった。
大体の生徒は部活動へと向かう。
無所属は帰宅部だから、さっさとお家へ帰るのがお仕事。
例外もいるけどね。
「お前、帰んの?」
幸平がお隣の席へ話しかけてる。
「うん。今日は早く帰って来いって言われてるから。」
身支度を済ませた美紀もそれに返答。
「じゃ、校門辺りまで一緒に行くか?」
おいおい、一日で相当仲良くなってるじゃないの。
「うん。ありがとう。」
こっちも随分素直だね〜。
こちらは当学校の校門なり。
高さはざっと4・5mはあるかねぇ〜。枠には見事な彫刻が…。
つーか、超豪華だよね。ただの市立高校にしては。
「あ〜これ、校長の趣味なんだよ。」
あら、さいですか。
「こんなのにお金かけるから、学食造れないんだよね〜。」
美紀ちゃんってば、学食無いのが相当ご不満みたいだね。
「ま、こんなのまだ序の口さ。」
まだ凄いのあるんですか。
って、いちいちツッコミ入れてたら、話進まないじゃんか!
「お〜い、並木!」
「おっ、イカダじゃん!」
「今日も行くだろ?」
「もっちろん。」
幸平は校門の辺りにいた、見るからに不良な連中の元へ行ってしまった。
「じゃあな、米坂!」
そうそう、挨拶は忘れちゃいかんよ。
「バイバイ、並木君。」
はい、皆さんさようなら。明日も学校でお会いしましょ。
PM 9:10
夜の街中。都会はこんな時間でも明るい明るい。
そこを歩き回るは、若者多し。
未成年が大半じゃて。
君たち〜。『お酒とタバコは二十歳から』
これだけは守らにゃいけないよ。
ね、幸平君?
「…分かってる。」
良い子だね〜。
じゃ、また明日。
(このお話、不思議な方向へ進んでる気がするよ? …まぁ、いっか。)
つーことで、明日は一時限目から体育だったと思います…。
今回から、ナレーションの口調が大きく変わってしまいました。スイマセン。
あ〜、あたしって何て気まぐれ屋さん。
最初は超シリアスにするつもりだったんだけどな〜。まぁ、いっか。
あれだ、きっと水戸黄門見ながら書いてるからだ。
(他のも今度書き直さなきゃ…。と思ったけど、やっぱやめた(笑))