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  作者: 二葉 サナエ
18/20

第17話 耳障り

ードガッー

「…ぎゃぁっ」


ーバキッー

「…お゛ぇっ」



次々と、いとも簡単に倒される男達。


相手がどんな武器を持って向かってきても、

5、6人が一斉に襲い掛かってきても、

幸平にとってそれは、何の支障にもならないとでも言うように、

彼を止める事は、誰にも出来ない。



「…っ! くっ来るなぁ!」

最後の最後。

1人だけ残ったのは、リーダーである筈の工藤。


…幸平たちの2コ先輩。

2年前、まだ幸平が1年だった頃に“あの事件”を仕組んだ男…



「…お前だけは、どんな事があったって、許す訳にはいかねぇんだよ。」

幸平の血走った目には、今目の前にいる真っ青な顔の工藤ではなく、

いつかの、あまりに憎らしい、薄汚い顔が映っていた。



『お前がもし、約束を破ったんなら、

俺等、サッカー部を潰しちゃうかもよ〜?』

工藤の言葉の後に続く、耳障りな笑い声。



…そうして人を嘲笑っていた、奴の側近達は、

今はもう、そこらに転がるだけの、ただのマネキンと化している。


…そして、散々自分を苦しめた張本人が…今、目の前にいる…




ーギリッー

「うっ…ぐぅ…」

幸平の両手が、工藤の喉元を締め上げていく。

工藤の足が、地面からゆっくりと離れるのに比例して、

顔の色が次第に小麦色から薄い紫へと、変貌していく。




「…やっ…めで、ぐれ…」

そう、必死に悲願する工藤の言葉など、まるで耳に届いてはいないかのように、

幸平の手に込める力は、全く衰えない。


彼の瞳に映る、黒い怨恨の炎が、

消えることなど、この先一度だってありはしないのだとでも言うように、

ただただ、

黒く黒く、燃え上がっていた。



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