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  作者: 二葉 サナエ
16/20

第15話 笑い声

PM 10:26


人気(ひとけ)のない所。

静かに並ぶ古い倉庫の群。


ここは、もう使われていないらしい。

掃除のされていない床や壁は、

蜘蛛の巣や、鼠の死骸で多い尽くされている。



もう、人との縁を切った場所。

この倉庫は、二度と使われる事は無いはずだった。



しかし…―――


ーブハハハハー


ーケケケケケ-


確かに聞こえてくる、奇妙な音。


…気味の悪い笑い声。


こんな奇声を上げるモノなど決まっていた。



人間以外にありえない。





「うまくいったようだな。」

暗い部屋の一番奥。

足を組んで座るその男が、この何人も居る連中の頭らしい。

「はい。問題ありません。」

そう答えるのは、若い茶髪の男。

「クッ…クク…。相変わらず、バカな奴等だぜ。」

「全くですね、何度同じ手に乗るのか。」

室内に、男共の気色悪い笑い声が響く。


「この前やったのは…並木、とか言ったか?」

「ええ。並木幸平。将来が有望と言われていた奴です。」

「そいつも最後には、サッカー出来なくなったんだって?」

「未だに部員ではあるようですが、活動には参加してませんね。」

「ハッ! ザマー見やがれってんだ。この俺様差し置いて、偉そうにしてるからだよ。」

「ごもっとも。」




…何なのこの声。

ものすっごぉ〜く、嫌な気分になるわね。

そんな会話を、何故私に聞かせるか。

そこが一番の問題だったりしないかな?

ねぇ幸平君、私を怒らせたいのかな?

「…知らねぇよ。お前が勝手についてきたんだろうが。」




つー訳で、

制服姿の幸平君、鉄パイプ何て危ないもの持ち出して、

かなりおっかない形相で、倉庫の扉を睨んでいます。


…なんかおっぱじめる気だよ、この人。

ひぇ〜。



ん〜、でもでも、


…注意すべきは、時間ね、時間。


え〜、ただ今、

PM10:30 

なり。



…良い子は真似しちゃ駄目だぞ?



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