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  作者: 二葉 サナエ
14/20

第13話 丘の上

AM 4:12

まだ、昼の主が昇りきらない頃。

人知らぬ丘の上。

一人佇む、人影があった。

「……っ…」

その両の目から、大きな雫をいくつも落としながら。

手に握った何かに、まるで語りかけるように。

かすれた声で呟く。

「…ごめんね…っ…ごめん…なさい…」

何かを、慈しむのと。

それを、怖がるのと。

そして、ただ、哀しいのと。辛いのと。

こんなに沢山もの気持ちを、抱えきれないとでも言うように。

それでも。必死に、落とすまいとするように。

彼女は、それを胸に抱き、しゃがみこんだ。

「…ごめん…っ…」

そんな、彼女を慰めるかのように。

夜は、更けてゆく――――――………




AM 6:30

「おいっ早くしろ!」

「ちょっと待てって! まだこれが…」

「誰か来たらどうすんだよ!?」

「るせー! …よし。出来た。」

「行くぞ!」

………。




AM 8:45

今日は朝から何かが変だった。

教師達は落ち着きが無いし、

生徒達も、特に運動部は、しきりに内緒話をしている。

朝のホームルームも、通常なら終わっている時間だ。

「なぁ。あれホントかよ?」

「あぁ。マジらしいぜ?」

「何でも、朝練に来た2年が最初に見つけたらしいんだけど…」

こんな会話が、あちこちから聞こえる。

…つーか、話のポイントになると急にボリューム落とすから、結局何が何だか分からずじまいなんだよね〜。さっきから。

もー。むしゃくしゃする!

何この、一人だけ仲間はずれにされてるような孤独感!

っていうか、疎外感?

ま、どっちでもいいんだけどさ。そんなこと。

問題は、一体何があったのかってことよ。

早く答えを探さないと、私の制御マシーンがまた暴走するわ。

と、言う訳で。

やっぱりここは、頼れる幸平君だよね。

ね?

「………。」

…ちょっとぉ、聞いてんの?

「………。」

聞こえてないの?

「………。」

…むぅ〜。無視ですか。

ったく! あーもう!

制御マシンが赤信号になる〜!

「大丈夫ですよ。赤信号は止まれって意味ですから。」

だまれ校長!

お前のその肉体、主に頭部をレッドゾーンにしてやろうか?

「どうぞ? しかし、レッドゾーンと言うのは…」

―ベリッ―

むかむか…

ムッキー!

「落ち着けバカ」

うぅっ…



「コラ。お前ら席に着けー。」

………。

「これから、大事な話をする。静かに聞くように。」



以外にも、私を爆発の危機から救ってくれるのは、

いつもは頼りないじいちゃん先生だけみたいです。


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