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  作者: 二葉 サナエ
13/20

第12話 独り言

そうです。

今日の私が、こんなにも機嫌が悪いのは。

全て、あのバカ校長のせいなのです。

そりゃね、私だって。

普段なら、こーんなバカな事しませんよ。

感情に任せて自分の思ってる事、ペラペラ口に出しちゃうような

浅はかな真似、いたしません。

でも、今日ばかりは…。

目の前の、妖怪【厚化粧でその上ピンクミニスカな年増女】を

そのまま放置しとくなんて、できなかったんです。

だって…、あんな事があった後だもの…。



それは、昨日…というか、正確には今日の2時頃。

私は、酒に酔いつぶれておりました。

(そのお陰で、独り言じみた発言が、随分と多かったみたいだけど…。)



AM 2:10

はぁ〜。

えっ、何で理事長なのに校長何とかできないのかって?

そりゃね、私だってできるもんなら、とっくにあいつをワインの樽にでも突っ込んで、大砲で南極にでも発射してるわよ。でもさ〜…

学校経営ってそんな楽なモンじゃないのよ?

いくら私が理事長だって…

一番偉いからって…

出来ることと出来ないことがあるんだからぁ…

ううっ…

「泣くのを我慢するのはよくないですよ。」

えっ…

「さぁ、私の胸で、たっぷり泣いてください。」

校長…アンタってやつは…

「さ、経費のことはとりあえず忘れましょ。」

うん…

って。ちょいとお待ち。

相手はあの校長よ?

金の亡者よ?

自分のあの悪趣味のためには、手段を選ばないようなやつよ?

つーかさ、なんで私が経費のことで悩んでるって…

あー!

じゃ、やっぱりあんただったのね!

学校の経費盗んだの!

「ばれちゃいましたか。」

『ばれちゃいましたか。』じゃネーヨ!

ふざけんなよ。それで私はずいぶんと悩んでたんだぞ!

どうしてくれんだ!

「エヘッ」

『エヘッ』じゃない!

お前、いっぺんペンギンにその頭、食ってもらってこい!



と、こういう訳です。

(少々分かりにくいかもしれませんが、そこは酔っ払いだったんで、勘弁してください。)

それより、酷いでしょ? 校長のやつ。

話に出てくる経費って野は、学校の運動部用のものだったんですけど。

それを、理事長室の、超厳重な警備を潜り抜けて、まんまと手に入れてやがったんですよ?

しかも、それを校長室のサウナ建築費に使おうとしていたんだから!

ホント、許せないっての!

あれなくしたせいで、私は教員達にも、PTAにも

その他、もっと上のお偉いさんがたにも

こっぴどく叱られたんですからね!?

『君が理事長でありながら、何てことだ!』

『ちゃんと管理していたのかね!?』

『そんなんだから、学食が造れないんだわ!』

『どう責任を取るつもりだ!』

と。

そりゃ、もう。

めっちゃうるさかったんだから!

お陰で私はノイローゼ寸前。

普段飲まないウイスキーにまで、手を出しちゃった訳さ。

そんな時、犯人が分かって。

私はもう、地獄の沙汰にでもなったんじゃないかってくらい怒りましたよ。

まるで、般若みたいな顔してね。

それでも収まりきらなかった鬱憤が、

松野ばーちゃんの一件に、繋がってしまった訳です。

ま、これだと、

ばーちゃんは、ただのとばっちりを受けた被害者ってことになりますけど。

それは、鏡に映る自分の姿と、校長が悪いんだという事を理解して、

どうか、化けて出るような事だけは無いよう、お願い致します。

では、今日はこの辺で。

(何分、二日酔いが酷くてねぇ…)


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