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プロローグ
俺、並木幸平。
市立高校に通う3年。
一応サッカー部に所属してはいるけど、正直かったるいし、ほとんど幽霊部員状態。
他の連中は、最後の総体だからって頑張ってるみたいだけど。
そういうの、マジめんどくさい。つか、超ウゼー。
俺はさ、‘青春’とか‘情熱’とか言う言葉が大ッ嫌いなんだよね。
別に、皆が自分の目標に向かって直向きに頑張ってる姿まで、ウぜーとは言わねーよ。
だけどさ、結局そんなのって無駄じゃん?
俺らは、あと半年もすりゃ卒業だし。卒業したら、この学校とも、部活ともお別れ。
学生時代の部活動からそのままプロになる奴なんて、ほんの一握りしかいないんだし。
大体は、大学受験か就職。そうしてる内に、高校の事なんて忘れちまうんだって。
そんで、年寄りになってから、「あ〜、あの頃は良かったな〜」なんていう、ただの思い出になってんだ。
そんなもんのために、一生懸命になんて、俺はなれない。