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NTR小説にかぶれて相思相愛の幼馴染みを振ったら、キャラ変してしまった  作者: 東音


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2/5

私が幼馴染みに振られた理由


「れ、礼ちゃん……。小さい時から、ずっと礼ちゃんの事だけが大好きです!私と付き合って下さい……!」


「……!」


 私、野原あざみは、小さい頃からずっと想い続けて来た幼馴染みの男の子、成瀬礼=礼ちゃんに決死の思いで告白した。


 顔は火照り、心臓はバクバクの状態で礼ちゃんの答えを待っていると、彼は一瞬痛みを感じたように目を閉じると、真剣な表情で口を開いた。


「ありがとう。あざみの事、多分俺も好きだと思う。」


「ほ、本当?それじゃあっ……!」


 心にぱあっと花が咲くように嬉しい気持ちが広がったところ……。


「でも、あざみは幼馴染みで、もうすぐNTRされる事が確定しているから、付き合えない。ごめんな?」


「へっ?!」


 私は、礼ちゃんの言葉を理解できず、目をパチパチと瞬かせた。


 え?え?ごめんな?って事は今、もしかしてフラれた?

 でも、私の事、多分好きだって言ったのに??

 っていうか、NTRって何??


「ああ、「NTR」っていうのは、主に「寝取られ」っていう意味でな。恋人や配偶者が、他の異性と性的な関係を持つことを言うんだ。」


「そそ、そうなんだ……。」


 人差し指を突き出して嬉々として説明してくれる礼ちゃんに引き攣った顔で頷きつつ、私は確認をした。


「ってことは、礼ちゃんと付き合ってから、私が他の男子に取られると思っているって事……?」


「ああ。そうだ!理解が早いな。あざみ!もう少ししたら、俺よりもずっと頼りがいのあるカッコいいイケメンが現れ、いけないと思いながらも、お前はそいつに惹かれていく事になる」


「ええ?そんな事にはならないと思うけど。礼ちゃん以上にイケメンでカッコイイ人なんてこの世にいないでしょ」


 私は反論したけど、礼ちゃんは大きく首を横に振った。


「いや、なるんだって。そいつの目を見た瞬間、俺なんか路傍の石ぐらいにしか思わなくなる。絶対だ!」


「ええ?その人黒魔術でも使うの?なんか怖いんですけどっ ||||」


「今、4月下旬だから、そうだな……。GWには、あざみはそいつの口車に乗せられて、一線を越える事になる」


「ひっ……!☠時期まで限定されているっ?!」


「というわけなので、お互い辛い思いをするのを避ける為にも、俺達幼馴染みのままでいようなっ。BSSならまだ俺も耐えられる自信があるから。あざみ、分かってくれるよなっ?」


「〜〜〜〜??||||||||」


 礼ちゃんの言う事が何一つ分からないまま、私はションボリと彼の自宅を後にしたのだった。


         ✽


「りょ、両想いなのに、私は、なじぇ、フラれたのっ?頭のいい人、誰か教えてっっ。あううっ…」

「あら、あざみちゃんっ?」


 涙をボロボロ零しながらの帰り道、途中で、礼ちゃんのお母さんに行き合った。


「ちょうどよかった。今、あなたの好きなアイスを買って来たんだけど……」

「お、おばしゃん……!わあぁ〜ん!!」


「あざみちゃんっ??」


 私は思わず泣きついて、おばさんを戸惑わせてしまった。


         ✽


「そんな事があったの……!最近あの子、NTR小説とかいうのにかぶれて、部屋に籠もってそればかり読んでいたから、リアルと混同しちゃってるのかもしれないわね。私からキツく言っておくわ。あざみちゃん、本当にごめんなさいねっ」


 事情を話すと、おばさんは驚き、心底申し訳なさそうに私に謝って来たので、慌てて首を振った。


「い、いえっ。私も、当然のようにお家のアイスもらったり、勉強教えてもらったり、幼馴染みの関係に甘え過ぎちゃってたから、礼ちゃんに信用してもらえなかったのかも。もっと礼ちゃんにふさわしい女の子になるよう頑張ります…!」


「ありがとう!どうかあの子の事、見捨てないでやってね。あざみちゃんが彼女になってくれたら私も安心だわ。」


 おばさんに、味方になってもらえた私はフラれたショックも和らぎ、また一から礼ちゃんにアタックする勇気が出たのだった……。


        ✽

        ✽

        ✽


 そして、翌日の放課後ー。

 また、メールで礼ちゃんと約束をすると、バーゲンダッツをお土産に彼の家に向かった。


「礼ちゃん!いつもアイスもらってばかりだから、これ、お土産にどうぞ!」


「ああ。悪いな。そんな気を遣わなくてよかったのに。まぁ。上がれよ。」


 礼ちゃんは、私の差し出したアイスを済まなそうな顔で受け取ると、いつものように出迎えてくれた。


「は、はい。お邪魔します!」


 見慣れた礼ちゃんのリビングの片隅に、正座をしていると、礼ちゃんは困ったような笑顔を浮かべて頭を掻いた。


「母にも言われたんだが、昨日キツイ言い方しちゃって悪かったな。あざみが嫌いなわけじゃないってのは分かってくれな?」


「あ、う、うん。もちろんだよ。礼ちゃん〜っ!」


 私はそんな礼ちゃんの言葉に嬉しくなって何度も頷いた。


「礼ちゃんには、今の学校に入る為にいっぱい勉強教えてもらって、お世話になってばかりだったから、これからはもっと自立して、礼ちゃんにふさわしいいい女を目指さなきゃって思うんだ。

 塾にも通おうかと思っていてね。もし、いい成績とれたら、私と付き合ってくれる?///」


 両手を組み合わせての私のお願いにに……。


「ああ〜。NTRフラグ立っちゃったか……。」


 礼ちゃんは、額に手を当てて嘆息し、私は嫌な予感に再び顔を引き攣らせた。


「えっ。NTRフラグって……??||||」


「ああ……。幼馴染みが塾に通った場合、同じ塾に通うイケメンか、その帰り暴漢に襲われたところを救ってくれたイケメンにNTRされるというフラグだよ。その場合、夏期講習の時期か受験期にNTRされる事が多いとされている。」


「ええ〜!!昨日と言ってる事違うんですけど!!別パターンもあるのぉ?」


「ああ。NTRには色んなパターンがあるんだ。ハッハッハッ。奥が深いだろぉ?あざみも小説を読んでみるか?」


「〜〜〜〜!||||||||」


 2度目の告白も失敗に終わり、私は涙目で唇を噛み締めたのだった……。



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