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未来からのメッセージ

作者: うずらの卵。

俺は24歳の社会人の勇斗。彼女いないし今は仕事に専念している。

ある日会社が休みの日に俺は町に出掛けた。

別に用が有る訳ではないが、天気が良かったのでブラブラ町中を歩いていたのだ。

すると、小さな女の子が一人で歩いて俺の前を通り過ぎて行った。通りすがりに俺の方をチラリと見ていたが、その女の子の右目の下に黒子が有るのが特徴的だった。

親は居ないのかと思ったが、そのまま人混みに紛れて見えなくなった。

次の日は仕事で駅に歩いて向かう途中、中学生位の女の子が制服姿で歩いていた。

その女の子も俺の方をチラリと見ていたが、

その女の子も右目の下に黒子が有ったのだ。

そして、そのまま通り過ぎて行った。

俺は最近の女の子は黒子を付けるのが流行りなのかと考えた。

そして、又次の日も仕事で駅に歩いて向かう途中20歳位の女性に声を掛けられた。

その女性も何故か右目の下に黒子が有り、昨日の中学生とどことなく似ている感じがした。

「明日は行かないで」と一言言うと足早に立ち去った。

明日は会社の社員旅行でバスで山の方に行く予定だったのだ。

俺が何か言う前に女性は行ってしまったので、

俺は暫くその場に立ち尽くしていた。

俺は胸騒ぎがしてキャンセル料を支払い、

明日の旅行をキャンセルしたのだ。

旅行当日、勿論会社は休みで会社の社員はバスで旅行に向かっている時間、俺は家でテレビを見ていた。

すると、お笑い番組の途中でニュース速報が流れたのだ。

社員旅行中のバスが山中の崖から転落して、運転手と乗客全員死亡と。

俺は頭をハンマーで殴られたような衝撃を受けた。

もし、俺も社員旅行に行っていたら今頃はもう…。

そして、あの女性の忠告はこの事だったのだろうか?

暫くは会社はゴタゴタして結局倒産して俺は転職した。

そして二年後転職先の会社の女性と付き合うようになり結婚。

その一年後に女の子が産まれたが、その女の子の右目の下には小さな黒子が有ったのだ。

俺はその時は黒子に縁が有るなぁ位にしか思って居なかったが、

年月が経ち、娘は順調に育ち二十歳になった。そして娘の結婚が決まった。

俺ももう年を取り、昔の事は忘れ掛けていたが、結婚式の前夜に妻かお風呂に入っている時、娘が俺の部屋に来たのだ。

そして、「お父さん、私の言葉を信じてくれて有難う、未来への道を閉ざさないでくれて有難う、お父さんの娘として産まれてこれて幸せでした」と言い深くお辞儀をして部屋を後にした。

俺の頭の中に昔の映像がフラッシュバックしたのだ。

俺の前に現れた小さな女の子、中学生位の女の子、そして「明日は行かないで」と言った女性、その右目の下に有る黒子、それは俺の娘の顔だったのだ。

あの時、社員旅行に行っていたら娘の未来は閉ざされていたのた。

信じられないが未来からのメッセージだったのだろうか。

もし、あの時社員旅行を中止して下さいと言っていれば他の社員も死なずに済んだのだろうか。

いや、根拠もないのに中止にしろと言っても聞いてはくれなかっただろう。

娘が助けてくれた命、一日一日を大切に妻と共にこれからも歩んで行こうと心に誓った。

娘のこれからの人生に幸有れ。






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