母親視点
息子と娘がお義姉さんと温泉旅行に行ったとのことだった。二人の子供から旅行のお土産をもらってその話を聞いて思った。次は私たち夫婦の番じゃない!?
が、息子も娘も温泉のおの字も出さないし、旅行のりの字も出さなかった。
ま、これからお誘いの連絡が来るのでしょう。そう思っていたのだがお誘いの連絡は待てども来る事はなかった。いつ!?いつ連れて行ってくれるの!?そう思っても子供たちはうんともすんともない。
待ちきれなくなった私はメッセージを送った。
『旅行に連れて行ってくれない?』
これで二人とも私とお父さんを旅行に連れて行ってくれる!そう思ったのに。
『なんで?』『どうしたの?』なんて疑問がメッセージで返ってきた。
そこは『どこに行きたいの?』って聞くところじゃないの!?なんて思っていたらすぐさまに詳しい返答が来た。
『いつも言っていたじゃないか、旅行なんて何が楽しいのか分からないって』
『旅行に行くとすぐにお金がなくなる!もったいないってあれほど言っていたじゃない』
そんなこと言ったっけ?思い出せなかった。
『小さい頃おばさんが旅行とかに連れていってくれたとき母さんよくそう言っていたじゃないか。急にどうしたんだ?誰かに何か言われたのか?』
そう言われてぼんやりと思い出した。お義姉さんが子供達をどこかに連れて行くというのを子供の面倒見てくれる、余計な出費がなくて助かったなんて思っていたことを。お金がすぐになくなるのにどうしてそんなことをするんだろうなんてことも思っていたけど子供達にそんなこと話した?
『いや、ちょっと旅行に連れていって欲しいって思っただけなんだけど』
そう返した。そう返したらやってきたのは怒涛の返信だった。
『どこに?』『費用は割り勘?』『子供と嫁は一緒でいい?』『近場でもいい?』『費用はどうする?』『移動手段は?』
そう矢継ぎ早に来る質問に答えられず、『うーん、どうだろう』と答えを濁した。
すると『決まったら連絡よろしく』と二人から返ってきた。
結局それから旅行の計画を立てることもしてないし、もちろん旅行にも行っていない。
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