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そして悪女の被害者令嬢はいなくなった ~歌劇「悪女」ができるまで~  作者: 粟飯原勘一
第2章 帝国編 ~テイト・シャンティ・ランデブー~
24/27

10.タフィリア・アルメスト② ~アルメスト帝国第三皇子、次期ダイド大公家当主~

今日から年末は毎日更新します。

もうすぐ完結です。

 

「失礼します」

 ノックの後、僕は長兄であるポーレア兄上の執務室に向かった。

「お帰り、タフィ。

 そして彼女が…」

「はい、兄上、ただいま戻りました。

 彼女が私の婚約者、ルイーザ嬢です」

「る、ルイーザ・レゼド、と申します…レゼド侯爵家の娘にございます」

 ルイーザがカーテシーを決めると、今度はその隣から声が聞こえた。

「まぁ…きれいなカーテシーね。

 私はミリエラ・ジョセフィーヌ、公爵家の娘で、ポーレアの婚約者よ」

 そういってミリエラ嬢もカーテシーを決めた。

「いやぁ、タフィが婚約者を連れて帰ってくるとは…いやはやめでたい。

 なぁミリエラ」

「本当に…私とマリー以外の令嬢とは付き合いをするような気を見せなかったものね、タフィは」

「そんなことないよ?

 ミリエラ姉上とマリー以外に、帝城にふさわしいご令嬢がこの帝国にいるかというと疑問だけども」

「ははは、まぁそういうことだな。

 ルイーザ嬢、実はなタフィの人を見る目には我々も一目置いているのだよ」

「人を見る目、ですか?」

 ポーレア兄上の言葉の意味がよく取れないといった顔でルイーザが不思議そうな顔をする。

「あぁ、タフィは相手が信頼に足るかどうか、一言二言話すだけで見抜いてしまうのさ。

 そのタフィが結婚相手を選ぶなんて、これ以上のめでたいことはないよ」

 兄上が嬉しそうにルイーザの頭をなでた。

「そうよ!

 タフィが連れてくれば素敵な令嬢に違いないわ!

 隣国とはいえ侯爵家のご令嬢なら身分も問題なしだし、いったいどこで知り合ったの?」

「彼女はね、僕の領地経営の師匠なんだ!」

 思わず僕が口をはさんだ。

「まぁ!

 領地経営もできるの!

 ますますタフィの奥方に向いている令嬢なのね!」

 義姉上が目を輝かせるが、ルイーザは何が何だかわからないという顔をした。

「…あぁ、ルイーザ。

 実はね、僕は叔父である王弟の大公様が引退すると、その爵位を譲ってもらう予定なんだ。

 叔父上は奥方もいるんだが、世継ぎに恵まれなくてね。

 僕が生まれてからは、大公夫妻で僕を息子のようにかわいがってくれたし、僕の婚約を待ち望んでいた一人なんだ」

「…そう、あぁ、そういうことだったの」

 ルイーザがその言葉に少し安心したように微笑んだ。

「…しかしレゼド侯爵と言えば、かなりご高齢で、ご婦人はすでに他界されていなかったか?

 彼らの娘というのは…」

 実は兄上は王国に留学していたこともあり、レゼド侯爵とはその際に交流があり、僕も領地経営を学ぼうとしたときにレゼド侯爵を頼ったのもその辺が理由だ。

「実は兄上、ミリエラ姉上。

 実は彼女は本来伯爵家のご令嬢なんですが、御父上と折り合い悪く、祖父である侯爵様の養女となっているのです」

「…そうか。

 そういえば思い出したぞ、レゼド侯爵の娘が伯爵家に嫁いだ後、流行り病で亡くなったらしいな。

 母上が亡くなられた後に、父上とうまくいかなかったのだな…なるほど」

 納得したような顔で兄上がうなずいた。

「それで、領地経営って?」

 納得した兄上を確認すると、ミリエラ義姉上が続けた。

 


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