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愛犬を愛しすぎたら、人間になって愛を伝えに来ました  作者: 鳶雫
二章 あれ…認識と違うよな?
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(3)

信頼してますよ、という証なのは知ってるけど…今は人間の女の子なんだよね、うん。僕はそのまま立ち上がり、座る位置を変える。ひまわりは目を丸くして不思議そうにしていた。位置を変えて座った瞬間、ひまわりはまた僕の上に座る。なんだ、これ?

 しばらく攻防したら、ひまわりは諦めた。悲しそうな顔をして…。僕が悪者みたいじゃないか。嫌いとかそういうんじゃないよ。ちょっとだけ、よろしくないの。

 「なんで?よけるの?」

 「う~ん…」

 「ひまわりちゃん?いらっしゃい?」

 母さんに連れられて奥で何やらひそひそ話している。何を言っているんだ?援護してくれるなら助かるんだけどなぁ…。会話が終わったのか、ひまわりが「分かった!」と言ってパタパタこちらに走ってくる。

 「発情?するの?」

 「ぶはっ?!」

 盛大に噴出した。なんて事を教えてるんだ。火に油を注ぐんじゃない!でも、ひまわりの様子からして意味は分かってないだろうな。

 「う、うん?まあ、好きだからね?」

 「そっか!わかった!」

 母さんを睨みつけると、親指を真上に立ててグッジョブとしている。何がだよ…ひまわりが意味を分かってたらどうするつもりだったんだ。あ、でも別にどうにもならないか。はぁ…。

翌日もまた散歩に出かける。朝方に起こすのだけは勘弁してほしいな…。二人でふらふら歩いていたら、目の前から犬が走ってきた。え?どういう事?迷子かな?犬は目の前でピタッと止まってわふわふ何やら喋っている。分からない…なんだ?

 「う~ん、迷子になっちゃったって」

 「え?分かるの?」

 「うん!」

 すごい、特殊能力だ…。二言語話せるのか…って感心している場合じゃない!僕は犬の首輪を見る。う~ん…情報は載ってない。さて、どうしようかな…。

 うん?何やらわふわふ言ってる…ってひまわりも喋るのか!!たくさん情報交換してくれ…僕にはどうにもできないから。

 「どこから来たか分からないって!」

 「うん、僕にも分からないからね…」

 「でも、飼い主さんの顔は覚えてるよ!」

 「この辺に見覚えあるか、聞いてくれる?」

 わふわふタイム。和むなぁ…この時間。一人と一匹がわふわふ言い合ってる。かわいい。ていうか、犬の言葉ってなんか…長くない?

 「見覚えはないって!」

 「じゃあ…遠くから来てるか。」

 犬種はダックスフントっぽいから…スムースで黒の毛並み。歩いてこれる距離で一時間が限界かな?そこまで遠くから来てないはず…。あれ、でも何日か歩いているなら話は変わるか?

 「歩いて何日目?」

 「今日迷子になったって!」

 「じゃあ、一時間ぐらい…か?」

 とりあえず、外が熱くなる前に保護しよう。こんな炎天下の中外に居たら可哀そうだし、栄養失調とか交通事故で死んでしまうかもしれない。それは飼い主さんにとっては最悪だ。あ、チップが埋め込んであるか?動物病院で診てもらおう。

 「とりあえず、家に来るかな?おいで?」

 「帰る!」

 「ひまわりもそうだけど…まあ、いいや」

 ダックスを抱えて帰る。うん、そこそこ重い。小型に見えるけど、立派な中型犬だもんな…。あれ、家って犬用品捨ててなかったか?とりあえず、いいや。

 二人と一匹で玄関のドアを開ける。母さんがリビングから出てきて目を丸くした。そりゃそうだ、僕はもう家族を迎えない、と断言していたから。

 「寄人、攫うのはだめよ?」

 「僕のイメージ悪すぎない?迷子だよ」

 「あら、そう?」

 「ママ、この子はリリイだって!」

 「え、今初めて聞いたけど?」

 「あれ?」

 首を傾げるひまわり。名前は後で聞けばいいや、って思ってたし。問題は…家で一時的に保護できるかどうか。一応ひまわりという家族が居たけど、僕に配慮して捨てちゃってたりしたら…

 「犬用品ってある…?」

 「あるわよ、捨てるのも勿体ないし」

 「あ…なんか複雑な気持ち」

 「こういう事するんじゃないかって思うと捨てづらいわよ?」

 母さんが最強だよ…。なんとも言えないじゃないか。でも、リリイが死んじゃったりしなくてよかった。

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