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愛犬を愛しすぎたら、人間になって愛を伝えに来ました  作者: 鳶雫
六章 ありがとう、大好きだよ
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(3)

二人で並んで椅子に座る。ひまわりはそわそわと落ち着かない様子を見せてる。なんだろう?何か言いたいのかな?それとも…トイレかな?

「寄人?楽しい?」

「た……え?」

「私が居なくなってから、元気がなかったって」

「あ…あぁ、うん。楽しいよ」

「そっか!よかった!」

楽しい…楽しいよ。色々なものをくれたし、気づかせてくれた。今、最高に楽しいと思ってる。なんで急にこんな事を聞いてくるんろう?何かあったのか…?

「何かあったの?」

「ううん?何もないよ?」

ひまわりはいつも通りの笑顔で僕を見つめる。含み持たせすぎでしょ…。なんか…考えたくないけど、まるで消えちゃう人の前振りみたいな聞き方だったよ?

「僕はひまわりが来てくれて嬉しいよ?」

「ほんと?!ありがと!」

あぁ…今のチャンスだったかな?本当に…ヘタレだ。何一つ大事な事は言えないでいる自分に嫌気がさす。

「いこ?」

ひまわりから差し伸べられた手を取って「行こうか」と答える。ひまわりは引っ張っていってまた浅瀬でたくさん遊んだ。

部屋に戻ってそれから…記憶がない。気づけばもう夜になっていた。隣を見ると、寝息を立てるひまわりが居る。二人で寝てしまっていたらしい。夜ご飯…食べてないな。

「しまった…!ひまわり!」

寝ているひまわりを揺さぶる。ひまわりは目をこすりながら体を起こして「んぅ?」と返事をする。時間は…あれ?思ったよりも進んでないな?まだ間に合うか。ひまわりを連れて両親の部屋に向かう。

「まだご飯食べてないよね?」

「そうね、食べてないわよ?」

「良かった…。」

「血相変えて出てきたから何事かと思ったわ」

「だって…楽しみじゃない?」

「そうだね、きっとすごい物が出てくるんだろうな!」

父さんと母さんも意外と楽しみにしているみたいだ。旅館の料理なんて旅の醍醐味、一大イベントに等しい。そんなのを逃したら……逃したら、泣く。寝ぼけ眼のひまわりを引っ張って、両親と共に指定された宴会場へと向かった。

「いやぁ…本当にすごかったね!」

「うん!おいしかった!」

「あんなコースみたいな料理は家庭では食べられないからね」

一つ一つ丁寧に説明されて出される料理が印象的で、お通しから前菜へ最後は甘味と合計で九つ程あった。刺身も海が近いことがあってか、生臭くなくて本来の魚の味が引き出されていた。

「あんな刺身食べたら他の刺身なんて食べられないかもしれない…。」

「滅多に食べられるものじゃないわ」

「すごいよ!おいしかった!」

もう…ひまわりはおいしいしか言えなくなってる。実際僕も別においしかったぐらいしか言えないんだけど。グルメリポーターって本当にすごいんだな。あんなにおいしい物を毎日食べていたりするんだろうか?

部屋に戻ってベッドに寝転がる。お腹いっぱいだし、満足感がすごい。このまま眠れそうだけど…風呂も楽しみなんだよな~。

「で?どうしてこうなった?」

「なにが?」

いやいや。水着入浴可能です、は分かる。家族風呂があることも分かる。なんでひまわりと二人で入ることになった?!

「寄人!大きい!」

「な?!何が?!」

「お風呂!」

「あぁ、うん。大きいね?」

うん、大きいね。お風呂。大きい湯舟の中をひまわりは泳ぎ回っている。はぁ…二回程度じゃ慣れるもんじゃないよな…。

近くにあったシャワーで体を洗う。ひとしきり綺麗になってから、もう一度入浴した。お湯を掛けるとひりひりするから温泉の効能だと思っていたけど、良く体を見て見たら赤くなっていた。日焼けだった。

「明日は…観光地を回って、最終日に帰る、かな」

「早いね!」

「うん?まぁ…そうかもしれないね?」

確かに、早いと言われたら一日が経過するのが早かったな…海で遊んでいたら一日経っていたから。明日は早いみたいだし…備えようかな。

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