(7)
リリイが何やら「わんわん」と吠えている。ひまわりが居ない今、何を言っているか分からないんだよな…。リリイは首を傾げて何かに気づいたように瑠々さんを引っ張る。なんだ?!何か気になることがあるのか?
「リリイ?!どうしたの?」
「わんわん!!」
「そっちに行きたいの?」
「わん!」
「じゃあ、歩きながら話しましょうか!」
「えぇ?!そんないいんですか?散歩の途中なのに」
「大丈夫です!リリイの行きたい方向に行ったらいいので!」
「じゃあ…いいですか?」
皆で歩いていく。何やら…僕の家の方に向かってないか?てっきり、帰っていくものだと思っていたけど。
「保護してくれてた時って、ここら辺を散歩してくれてたんですか?」
「そうですね、僕の家が近所なので」
「あら、そうなんですね!」
「て、言うか…ここです。」
リリイが止まった先は僕の家だった。もしかして…リリイが直接話してくれるのかな?でも、今リリイと一緒に居ることがバレたら、また修羅場になりそうな気がするんだけど…大丈夫だろうか。
「あの…家に入っていきますか?」
「ど、どうしましょうか?」
「とりあえず、どうぞ」
僕は玄関のドアを開けて中に招き入れる。すると、リリイは玄関で元気よく吠え続ける。ひまわりを呼んでいるかのように。リビングからひまわりがひょこっと顔を出す。リリイを見つけて笑顔になった。
「リリイ!」
「わんわん!」
「どうしたの?」
「わうわう」
「うん…そうだよ」
何やら相談を始めてしまった。内容を教えてくれないと僕らには分からない。ひまわりはリリイを手招きして二階に上がっていってしまった。
う~ん…。僕らが気まずいんですけど?いいや、玄関に居てもらうのも良くないだろうし、リビングで待っててもらおう。
「どうぞ、リビングに」
「ありがとうございます、お邪魔します…」
「あら?あんた…誘拐?!」
「だから、違うって!!」
「お邪魔します、この間はリリイを保護してくれてありがとうございました!」
「そう、リリイちゃんの飼い主さんなのね?」
「はい!」
母さんと瑠々さんはすぐに仲良くなって打ち解けた。僕は置き去りで一人で呆けている。リリイもひまわりも居ないし…ひまわりなんか居ても返事すらないし。疎外感がすごいや。
「そういえば、寄人さんはワンちゃんの言葉がわかるんですか?」
「……え?」




