(5)
帰り道は二人とも無言で手も繋がない。ひたすら家を目指して歩く。家に帰るまでの30分がやけに長く感じた。
家について自室に入り、ベッドにダイブする。いいって言ったから行ったのに、なんで僕が怒られないといけないんだ。おかしいじゃないか。なんなんだよ…。何もうまく行かないな…。
「はぁ…。」
本当に浮気だと思ったのか?それとも、他の犬の匂いが嫌だったのか?嫌だったのならなんで言ってくれない?もう…訳分かんないよ。
自室の扉が急に大きな音を立てて開け放たれる。驚いて音がした方を見ると、母さんが立っていた。
「あんた、なんかしたの?」
「いや…別に。」
「いやね、絶対しているのよ?それは確定」
「なんでよ?」
「だってすぐに自室に行くときなんて何かあったときでしょ」
「ぅ…」
図星だけど。そんな的確に当てられても困るんだけど…。何から話せばいいやら…。とりあえず僕は今日の一部始終を母さんに話した。
「それはね…あんたが悪いわ」
「でも、ひまわりは良いって言ったよ?」
「あのね?ひまわりちゃんからどう見えるか考えた事ある?」
「う~ん…?」
「犬いっぱいのところってハーレムみたいに見えるでしょ?」
「そんなことある?」
「じゃあ、ひまわりちゃんが執事喫茶とか行ったらどう?」
「あぁ…?」
えぇ…そういう風に見えるのかな?そんなことある…?もし仮にそういう視点で見るんだとしたら…結構嫌かもしれない。
「そういう感情だったのかな?」
「じゃないの?だって浮気?って言われたんでしょ?」
「まぁ…言われたけど。」
「旅行前に喧嘩して…よくないわよ?」
「は?!何その話聞いてない!」
「言ってないからね?」
なんだよそれ…旅行って…予定詰め込みすぎでしょ。もともと予定なんて入ってないからいいけどさ…。
「旅行までに仲直りしておきなさいよ?」
「う~ん…何とかするよ」
旅行の予定は…一週間後か。何とかなるだろうか…。




