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愛犬を愛しすぎたら、人間になって愛を伝えに来ました  作者: 鳶雫
三章 きっと…この気持ちがそうなんだ
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(3)

 ひまわりと並んでお祭りを見る。初めての経験。ひまわりはきょろきょろ回りを見ている。女の子と二人で並んで歩く、デートのような光景。隣を歩くひまわりは本当に楽しそうだ。

 からあげ、焼きそば、イカ焼き…種類が豊富だな…。お腹も空いたし、何か食べようかな?とりあえず、りんご飴あたりから?

 「ひまわり、おいで」

 「うん!」

 りんご飴の屋台の列に並ぶ。隣のひまわりは何かを感知したのか、今か今かと待ちわびているようで背伸びして覗いてみたり、横から顔を出したり、そわそわしていた。

 「いらっしゃい!お、可愛いカップルさんが来たね!」

 「うん!」

 「あ…その……りんご飴二つ!」

 「あいよ!」

 恥ずかしいって!ひまわりはそもそも意味を分かっているのか?!いや…分からない…よな?分かっていたらそれはそれで…。いいや!考えちゃだめだ!

 「サービスでパイン飴をつけとくよ!」

 「いいの?ありがとう!」

 「あ、ありがとうございます」

 「いいよいいよ!」

 その場をさっと立ち去る。恥ずかしすぎて爆発しそうだ…あと、申し訳ない気持ちも追加されちゃった…。別にカップルってわけじゃないのに。

 恥ずかしさから、いつもと違う速度で歩いてしまう。りんご飴を齧りながら、誰にも気を配らずに。ふと、隣を見るとひまわりが居ない。

 「ひま…わり?ひまわり!!」

 少し大きめの声で呼んでも返事がない。失敗した…僕はなんてことをしたんだ。とりあえずひまわりを探し出さないと!

来た道を引き返して探す。人込みの中をゆっくり見る。金色の髪をしているから見つけやすい、そのはず、だった。十分…二十分…時間だけが過ぎていく。焦りだけが心を支配していく。

 変な人に絡まれていたら…車に轢かれていたら…勝手に遠くに行ってしまっていたら…どうしよう、どうすればいい…。そうだ!母さんに電話して…。

 少し離れた所にあるベンチに腰かけてスマホから母さんに電話をする。一回…二回…コールが鳴っていく。

 「もしもし?何?」

 「ひまわりと…はぐれちゃって…どうすれば…」

 「大丈夫よ?ひまわりちゃんは賢いから」

 「無責任な…」

 賢いから大丈夫って、安心する理由にならないじゃないか!警察に行くわけはないし、わざわざこの場から離れるような事もしないはずなんだ…どこかに居るはず、この会場のどこかに…。

 「いい?焦らないでゆっくり探しなさい?」

 「だって、もしもの事があったら!」

 「自分にとって悪いことを考えているなら、その九割は起こらないの。」

 「な、なんで?」

 「実際にはいいことと悪いことの一つしか起きないんだから」

 「う、うん」

 「だから、落ち着きなさい?」

 なんでだろう。急に冷静になってきた。母親って…本当にすごい存在なんだな。ひまわりならきっと、神社の中に居るはず。そう思う事にしよう。なるべく早く探してあげられるように。

 「ありがとう、落ち着いた」

 「そう?なら良かったわ!」

 「とりあえずもう一度ゆっくり探してみるよ」

 「そうね、頑張りなさい?」

 「うん」

 そう言って電話を切った。そういえば、てっきりベンチとかで食べているかと思ったら…居なかったんだ。じゃあ…どこに居るんだろう?


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