リオンは戦が嫌い
リオンは幼い頃から王になるものだと言われてきました。そんな少年は本ばかり読む、本の虫です。魔法の才能がありそれは良いのですが、剣の稽古は逃げる術ばかりを覚えて、攻めるという剣術は嫌いで父である王に本の虫となるのではなく、私と同じような剣王となりなさい、と言われる日々が当たり前です。
月日が経ち、それでもリオンは本の虫で魔法の才能があるのに剣の稽古は攻める剣術を覚えるのだけが嫌いです。そんな少年を見兼ねた王は、重い腰をあげました。王はリオンの頭を殴り気絶させました。そして少年は荷馬車に乗せられて、どこだか知らない山へと投げ出されました。待たされたのは父である王にプレゼントされた剣のみ。
しかし王は魔法の才能がどこまで磨かれたか知りませんでした。少年はため息を吐き、冷静に感知魔法を使い、そばにいる見届け人を三人みつけましたが、魔法があるし大丈夫なのに、と思いました。一ヶ月耐えぬきなさいだなんて、わたくしの父である王は甘すぎるなと考えながらも、リオンは魔法とたまに剣を使いながら生き抜きました。
王は見届け人からほとんど魔法で生き抜いたことを知って、頭を抱えました。しかしながらそれは気鬱でした。リオンは王の思いに少しだけ応えようとしました。剣の稽古で逃げの剣術ではなく攻める剣術を覚えたのです。
さらに月日が経ち、リオンは王になりました。王妃は小国の王女がなりました。子宝に恵まれました。このまま何事もなければ良いのに、と思いましたが物事そうでもいかないもので、大国の王を先陣し兵士たちが戦争を仕掛けてこようとしました。けれどもリオンは定期的に行っている感知魔法で周辺を調べて知ってましたが、防御魔法を国全土に何重にもかけて、外からは王共々入れなくしました。
Q:戦争が起こりそうになるとどうしますか?
A:わたくしは、その前に防ぎますね。
Q:戦は嫌いですか?
A:嫌いです。
リオンは戦が嫌い。だから少年はずっと、魔法を極めてきたのです。すべては、お国のために。