表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/78

Vol.15

 にま。

 にまにまにま……。

 衣の家を出てから優太はずっとこの調子だ。

「……優太、大丈夫?」

 とっても気持ち悪いんだけど、と未散はちょっと引きつりながら優太の隣を歩く。

「んふふふふ。大丈夫大丈夫」

 気にするな俺のことは、と優太は言いながらまた1人にやける。

「そんな顔してたら誰だって気になるわよ!」

 何なの一体!?と未散は優太のほっぺをむぎゅっ、とつねった。

 しかし優太には全く効果なし。

 相変わらずにやけ顔を続けている。

「そんなに聞きたい?」

 なんか優太は偉そうな態度。

 未散かがんで、と優太は未散に手招きした。

 未散はしょうがないので優太に耳を傾けた。

「実はさ……」

 ひそひそ言う優太の言葉に未散の顔は一気に紅潮した。

「優太、手早っ!」

 なにどさくさに紛れて密室でちちくりあってんのよっ?!と外なのも忘れて未散は大声を上げた。

「ば、バカっ、声でかいって!」

 しーっ!しーっ!と優太は大慌てで未散の口を手でふさぐ。

「……あーそうか。だから優太おばさんの顔まともに見れなかったのねぇ」

 優太の手を払いながら未散は優太を見て口先だけで笑った。

 つい5分前に未散と優太は衣の家を後にしたのだが、衣の部屋を出てきたときから2人の様子がなんかおかしかった。

 2人で階段を下りたと思ったら、

「おばさん俺帰りますっ、お邪魔しましたっ。未散、帰るぞっ」

 優太はそう一方的にまくし立てて帰ってきてしまったのだ。

「また来てね」

 衣ママはそう言ってくれたが「また来ます」と返事をしたのは未散だけで、優太の方は未散をおいてすたすた出てきてしまっていた。

 さらに衣ママに「おじゃましました」と挨拶したついでにさりげなく見た衣の顔は、幸せいっぱいの状態で未散に手を振っていた。

「……優太の癖にナマイキっ」

 未散は優太の尻をぺちっと叩いた。

「未散ぅ、好きな女の唇っていいぞぉ」

 優太はまた思い出し笑いをする。

「ちょっと……その生々しい表現やめて。聞いているこっちが恥ずかしいよ」

 未散は優太の肩をどんっ、と押した。

「いや、だって未体験ゾーンだろ未散は」

 教えてやってるんじゃんか、と優太はまた偉ぶる。

「……はいはいはい、貴重なお話ありがとうございますっ」

 もういいから帰るよ、と未散は大またで歩き始めた。

「あ、照れてやんの。未散ってウブだよなぁ」

 優太は未散をからかいなが追いかけた。


 ……しかし。

 幸せは時に辛いことも一緒に運んでくるときがあるようで。

 そのため未散はもう少しだけ人の恋路のお世話をすることになる。

 こんばんは、愛梨です。

 楽しんでいただけているでしょうか。


 せっかくまとまったはずなのに何を壊そうとしてるの?!と突っ込まれそうですけど……はい、すんません、ちょっとだけ壊します(笑)。

 モテる男と付き合うと必ずこういうことあるでしょ?……っていう展開を用意しております。

 さてさて、衣ちゃんはどんな目に遭ってしまうんでしょうか……。


 ということで、今回はこれにて。

 それではまたです。

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ