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異世界浪漫の処刑者達  作者: 旗裂 真尋
第一章 万能系陰キャ、異世界に降り立つ
14/24

第14話 偽りの真実

今回遅くなったのは本当に仕方ないと思います。ええ、本当に仕方ないんです。

だって今回でまたストーリーの路線が75°ぐらい曲がっちゃったし?調子乗ってクソ長い詠唱考えてたし?




ホントすんません。

 大量の魔物達に対して、それに立ち向かうのは二人の親子。誰がどう考えても絶望的だが、その二人は落ち着いた様子で話し合っていた。

「時間を稼ぐと言っても、この量が相手じゃなあ」

「父さんは対個人の方が得意だもんね」

「そうなんだよな〜。流石に武器無しで何百体も一気に相手するのは疲れそうだな」

 そりゃそうでしょうな。というか、最初から何百相手が前提とか、なかなか父さんもぶっ飛んでるな。

「じゃあ僕の出番だね」

「けどお前はあのスキルのせいでかなりステータスも落ちてるんだろ?」

「ふっふっふ…その言葉を待っていたァ!」

 などと恥ずかしいセリフを言える訳もなく。

「そこは大丈夫だよ。夜なら多少はマシになるし、多分解除できるはずだから」

「じゃあちょっと離れて待ってるわ」

 と言ってニ十メートル程離れる父さん。そんなに離れなくてもなぁ…

 そうこうしている間にも、大量の魔物達が近づいて来ていた。あと数キロって所かな。

 俺は深呼吸すると、魔晶世界から真っ黒な魔晶石を取り出して右手に握り、超高密度の魔力を一気に注ぎ込んだ。

「術式展開、開始」

 俺を中心にして、まるで時計の様な半径数十メートルの真っ黒な魔法陣が展開される。ドクン、と自らの魂が震えるのを感じた。あの時と同じように。




〜約2年前〜

 夢を見ている。そんな感覚だ。何も無い、ただただ黒い世界で、上も下も分からずに、水の中にいる様な感覚。

「漸く来たか」

「ッ!誰だ!」

 知らぬ間に誰かがそこに居た。

「誰だ?か……まぁ、そうなるか」

「…何を言ってるんだ?」

(コイツは何を言っているんだ?)

「まぁ、そうなるのも無理はない…か」

「どういう事だ?」

「じゃあ1つずつ確認していこうか」

(全スルーかよ)

「お前は違う世界から今居る世界に行った」

「ああ、そうだ」

「なら前居た世界で何をしていた?」

「何を、とは?」

「誰と誰の間に生まれた?どこの学校に通った?そこで何を学んだ?何歳まで生きていた?どうやって今の世界に行った?」

「何を言ってるんだ?そんな事は…そんな事…は…」

「どうした?そんな事は?」

 何故だろう。今まで1度も気にしたことが無かった。

 そして、

「何も…分からない」

「だろうな。お前の魂や記憶はあくまで偽物でしか無い」

「嘘だ!そんな事がある訳ない!」

「ならば何故その記憶が無い?」

「そ、それは…」

「何故か知りたいか?それはお前が不完全なコピーだからだ」

「不完全…」

「ああそうだ。本来なら記憶も引き継ぐハズだった。けれど、知識だけを引き継いで、その他の記憶は一切引き継がれなかった」

 なんとなく、こいつの正体が分かった気がする。

「【覇者】って称号があっただろ、あの称号は、この世界にもっと強い者を作る為の称号なんだ」

「え?あれって何の効果も無かったんじゃなかったのか?」

「まあそう考えるわな。その称号を取得した時点で魂をコピーして、コピーされて出来た方の魂が戻されるんだ。しかも、コピーされるのはスキルとステータス、あと称号だけなんだ」

「記憶はコピーされないって事か」

「そういう事だ。それで強くなる事だけに集中させたかったけど、記憶が無いから何故強くなろうとしていかも分からなくなって、ほとんどのヤツがそこで止まった」

「そうなのか…」

「まあ、そんな事はどうでもいいんだ。お前が今解こうとしている封印は、余り解かない方が良い」

「何故だ?アレを解けば誰に負けることも無くなるのに」

「何人もの猛者達がそれを解こうとした。けれど、殆どのやつが死んだ。アレは誰がやるにしても負担が大きすぎる」

「負担ってどういうことだ?」

「あれを解くには、必ず何らかの代償が必要とされるんだ」

「代償…か。どの程度の物なんだ?」

「そうだな。幾つか方法があるんだが、発動しようとした瞬間に死んだり、もしも成功したとしても、それを維持する為の魔力が多すぎて、一瞬で魔力切れを起こして死んでたし」

「なかなかに強力なんだな…」

「ああ。というわけで、一応お前に術式を渡しておこう」

 と言って真っ黒な魔晶石を渡してきた。

「これは?」

「その代償を魔力のみにして、必要な魔力量も極限まで抑えた術式だ。あ、一度に全て読もうとするなよ。頭が文字道理動かなくなるからな」

「まあ、そんな代償をそこまで抑えられるほど高度な術式なんだろ。流石にそのぐらいは分かってるさ」

「さて、もうそろそろかな」

「何がもうそろそろなんだ?」

「俺がお前に干渉できるタイムリミットみたいなもんだ」

 なるほどな。やっぱり限界はあるのか。他にも色々と教えて欲しかったんだけどな。

「結局お前は誰なんだ?」

「やっぱりそれを言ったら面白くないだろ」

 クソ。やっぱり言わなかったか。

「最後に1つアドバイスだ」

「アドバイス?何の?」

「いや、アドバイスというか、命令というか…こうすべき、というのが1番かな」

「だから何の話なんだよ」

「【処刑者達】の称号を持っている者を集めろ」

「何故なんだ?」

 まあ大体予想はつくけど。

「【処刑者達】を持つ者は、殆どの確率で【覇者】に目覚める」

「あ、そっち」

「他に何があるんだよ」

「ほら、侵略者が大量に来るとか」

「あ〜、確かにそれもある」

「あるのかよ」

「まあ、【処刑者達】を持っている者が記憶を失った状態で居るのは危険すぎるんだよ」



「なんて規模だよこれ…」

「あ、魔法陣から離れておいてね。どうなるか分からないから」

「お、おう。分かった」

 と言って更に離れる父さん。流石にこの詠唱を聞かれるのは不味いからな。失敗することは無いだろうけど。魔晶世界から追加で6つの魔晶石を出して、空に向かって投げる。投げられた魔晶石は、既に展開されている魔法陣の角に。減ってきた魔力は、魔晶世界から出した魔力塊を魔力に還元して補っている。

「んじゃ、そろそろいくか」

 深呼吸して、一気に意識を集中させる。

「【我は真なる王に在らず・故に我は虚偽を以てこれを解く】

【我が存在は偽りの物に過ぎず・偽りの魂に中身は無く・内無き我には一筋の光すらも無い】

【光無き我には闇だけが残り・その漆黒の闇だけが・偽りの魂を支配する】

【故に、この魂は漆黒に染まり・その漆黒は万物を滅ぼす】

【故に、我が行く道に光は灯らず・他の色に染まることすらも叶わない】

【ならば、自らの運命に従おう】

【ただこの世の存続を願い・例えこの偽りの身体が滅びようとも・例えこの偽りの生命が尽きようとも】

【幽々たる我が道を開け】」

 何層もの黒い巨大な魔法陣が、星空を黒く染める。

「【強制解放・幽々たる漆黒の虚ディープ・オブ・ザ・ブラック・ライ】」















少年は知った。この世界の真実を。

けれど、その真実は本当の真実なのだろうか。

それを知る者は、まだ居ない…

最後の詠唱良くないですかね?

めっっっっっちゃ悩んだんですよね。


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