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異世界浪漫の処刑者達  作者: 旗裂 真尋
第一章 万能系陰キャ、異世界に降り立つ
13/24

第13話 魔力増幅炉

遂に新元号ですね。平成最後に間に合わせようと頑張りましたが、途中で力尽きてしまい、ここまで遅れてしまいました。

その代わり、今回は今までの倍以上書いたので、ボリュームたっぷりです。(大体は説明だけですけど…)

そしてその魔法についての説明は全部スルーしちゃって大丈夫です。ただの思いつきなので適当に流して頂ければ…と。

 侵略者を消してから、早くも約4年が経った。真祖…というか、吸血鬼になったので、案の定夜行性になった。まあ頑張って生活リズムを無理矢理朝型に戻したけど。しかし、日中はステータスがすごい落ちる。長時間日に当たると、身体がだんだんふわ〜っと消えそうになる上に、ステータスが更に落ちる。日傘を差したら大分マシにはなるんだけど、太陽光の熱で立ちくらみになったりするんだよな。


 遂に俺のステータスが両親&シャノにバレた。鑑定用の魔道具的なやつで、俺が寝ている間(昼間)に調べたらしい。隠蔽していた所はセーフだったが、新しい称号は隠蔽してなかったので、異世界人って事はバレなかったけど。あと、鑑定は大体の数字しか分からないんだと。体力は細かく見えた方が嬉しいんだけどな。


 シャノが近くの街にある学校に行き始めた。学校の寮で暮らすんだってさ。俺?俺は外に出たら消える(消滅する)から無理って言われたよ。あの超絶可愛い美少女妹を一人で行かせてしまって本当に不甲斐ない。まあ夏休みとかの連休は帰ってくるんだけど。その時に学校の教科書を見せてもらったりして、色々勉強したりもした。勉強は嫌いだけど、好きな事ならいくらでも出来るからね。だから、

「お兄ちゃ〜ん、ここ分からないから教えて〜」

 って言われても、大体はなんでも答えられるし、丁寧に解説したりもできる。

「お兄ちゃんのお陰でまた一番とれたよ〜」

 って言ってくれた時が、俺も一番嬉しい。

 …なんか俺ってシスコンじゃね?いいけど。シャノが可愛いんだから仕方ないんだもん。


 気になっていた【魔晶世界】は、魔晶石専用のアイテムボックス的なやつだった。魔晶石なら、多分無限に入ると思う。ただし、その他の物は何も入らなかった。時間経過は分からないけど。


 この5年の間に、この世界のいろんなことを知ることができた。その中に、幾つか興味深いことがあった。


 その1つが、魔法を発動するための詠唱だ。詠唱とは、その詠唱に関連付けられた魔法の魔法陣が、勝手に構築されるっていう感じだ。その方法だと、詠唱を途中で止めると魔法陣も消えてしまう上に、時間がかかる。その代わりに、詠唱をより詳しくて長い物にすれば、連想しやすくなって発動しやすくなる。そして、詠唱が長くなると、それだけ魔法陣の規模も大きくなるので、込められる魔力の最大値が増えて、魔力が増えれば、火力、射程、その他諸々の効果が強化される。この世界では、それをいかに短くして発動できるか、どれだけ強い魔法が使えるかが重要視されているらしい。


 そして、魔力についても色々と知ることができた。魔力には、様々な概念っていうのがあるらしい。例えば、ファイヤーボールみたいな火属性っぽいやつは、魔力に《火》という概念が与えられて、その《火》という概念を与えられた魔力を操作することで、火の玉を飛ばすことができる。その概念の数は本当にたくさんあって、火とか水みたいな分かりやすい属性だと、概念を与えるのに必要な魔力は少なくて済むけど、時とか破壊みたいな明らかにヤバそうな概念は、物凄い量の魔力が必要になる。強力な魔法に大量の魔力が必要になるのは、大量の魔力に概念を与えて、その大量の魔力を複雑に操作するからってことだ。


 もう一つが、潜在能力って呼ばれる物。生まれつきで何かの能力を持っていることがあるらしい。能力の内容は様々で、アホみたいに強いスキルだったり、ステータスが一部か全体的に高かったり、複数のスキルを持っていたり、スキルじゃない特別な能力を持っていたり。とにかく色々とあるらしい。


 あとは、髪の色だ。人にはそれぞれ、魔力の色っていうものがあって、その魔力の色が髪に出てくるらしい。ちなみに、魔力の色の強さは魔力の質とか濃度とかが関係している。で、魔力の色が薄い…というか魔力が少なかったり、質が悪かったり、濃度が低かったりすると、魔力の色が弱くなって、黒髪になるらしい。でも、髪に魔力の色が出ないほど魔力の色が薄い人は、かなり少ないらしい。なので、黒髪イコール魔法が使えない雑魚。みたいな風に思われているらしい。

 俺は、種族転生してから一週間ぐらいは綺麗な銀髪だったけど、今は黒髪になっている。今までに確認された真祖は全て銀髪だったらしいけど、俺の魔力の色が強すぎて黒髪になってしまった感じなんだとか。というわけで俺の魔力の色は黒だ。


 あと、この世界には銃もあるらしい。どこぞの勇者とかいう称号を持った、異世界人を名乗る貴族の長男が発案したらしく、そこの貴族は大儲けだったらしい。その勇者は他にも、戦車とかも作り出して、その功績を讃えられて見事に上級貴族になったんだと。まあ、シャノと同じ学校じゃないみたいだからいいけど。もしシャノに手を出したら……どうしてやろうか…




 真祖になったせいで、日中は物凄く魔力が少なくなる。ということは、今よりも更に魔力が必要になる訳だ。てなわけで、


魔力増幅炉(マギアジェネレーター)

保有魔力0/∞

魔力を増幅し、増幅した魔力を更に増幅させ、余剰魔力を無限に放出し続ける。


 自分で創っておいてなんだが、これチートだな。コレさえあれば魔法が使い放題になるわけだ。まあ、精神力とかの魔力以外の物も使う魔法を、バカみたいに連発したら廃人確定だけどな。


 とりあえずこれを父さんに見せてみた。

「父さん、これ見て。また新しいの創ってみたんだ」

「ん?おう。じゃあ鑑定してみようか。どれどれ…」

「あれ?父さんって鑑定のスキル持ってたっけ?」

「そうか、クレルは知らなかったんだよな。この国の人は大概、鑑定と鑑定偽装とか鑑定無効、鑑定察知を持ってるんだ」

「ということは」

「あんまり他人の事を鑑定するのは良くないな。鑑定偽装があったら意味が無いし、鑑定察知を持っていたらそのまま警備兵に突き出されるかもしれないから」

「だよね〜…」

(鑑定使えないのか〜…キツいなぁ…)

「じゃ、気を取り直してこれの鑑定をしてみようか」

(さて…どんな反応するかな…)

「…」

「…」

「は?」

「ひ?」

「ふ?……じゃなくて!」

「おぉ〜」

(なんというか、ここまで綺麗なノリツッコミって初めて見たな)

「いやいや、おぉ〜じゃねーよ!なんだよこれ!どうやったらこんなのが出来るんだよ!」

「う〜ん…なんとなく?」

「なんとなく?じゃねーよ!」

「どうしたのあなた?」

 ここで母さんが登場。

「ちょっとこれ見てくれよ!クレルがまたヤバい物を創ったんだ」

(さて、侵略者が異世界から来たって知っても全然驚かなかった母さんはどんな反応するかな?)

「…」

「…」

「…」

「…誰が創ったの?」

「僕だよ」

「クレルだ」

(さぁどうなるかな?)

「これ他の人に言っちゃダメよ」

「だよね」

「だな」

(やっぱり落ち着いて返された〜)

「これ起動してみてもいい?」

「俺も気になるんだよな」

「夜になったら外でやりましょうか」

(おっけーみたいだな)


 というわけで、家からそれなりに離れた平原に、父さんと二人で来た。母さんは家で夕飯を作っている。

「ここでいいかな?」

「ここまで来れば何かあっても大丈夫だろ」

 OKをもらったので魔晶世界から魔力増幅炉を引っ張り出した。

「んじゃいくよ」

 とりあえず最初は少なめにして、徐々に増やしていくことにする。魔力を入れると少しずつ明るくなってきたので、とりあえず起動は成功したみたいだな。

「大丈夫そうだね」

「もっと魔力を入れてもいいんじゃないか?」

「じゃあ一気に入れるよ」

 というわけで思いっきり魔力を突っ込んでみた。

「「あ」」

 物凄い量の魔力が増幅され、一気に放出される。何の概念も与えられていない魔力でも、高密度で放たれれば、物凄い衝撃波となって辺りを吹き荒れる。

「く、クレルッ…それを早く仕舞え!」

 魔力の嵐の中、かなり焦った父さんが叫んだ。

「もう仕舞ってるよ」

 と、何事も無かったように答える俺。

「そ、そうか」

(あれ?とりあえず魔晶世界に突っ込んだけど、放出されてた魔力ってどうなったんだろ)

 魔晶世界の中でも、魔力の放出が続いているのかどうかって所だ。

「父さん、もう一回出してみてもいい?」

「ああ、いいぞ。ただし、さっきみたいになったら直ぐに戻せよ」

「分かってるよ」

 というわけで、もう一度魔晶世界から魔力増幅炉を引っ張り出す。

「ん?止まってはないみたいだな」

「でも魔力は出てこないね」

 確かに魔力の増幅は続いているけれど、さっきみたいに放出はされていない。

「ん?何か後ろの方に生えてないか?」

「だね。しかもちょっとずつ大きくなってる」

 というわけで鑑定ー


魔力塊

魔力10000000

純度の高い魔力が凝縮されることで生成されることのある、純粋な魔力の塊。魔力への還元も容易にできる。


「魔力塊だってさ」

「は〜…魔力塊かぁ」

「どうなの?魔力塊って」

「一生に一度見られたら奇跡ってレベルだ」

「そんなにレアなの?」

「国宝として拳ぐらいの大きさで有るか無いかってぐらいだな」

「うわぁ…」

「これどこまで大きくなるんだ?」

「魔力の増幅が止まるまでだろうね」

 そうやって話している間に箱ティッシュぐらいのサイズに成長している。

「いつ止まるんだ?」

「さあ?多分止まらないんじゃないかな」

「とりあえず仕舞っとくか」

「だね」

 再び魔力増幅炉を魔晶世界に収納する。

「はぁ〜…帰るか」

「そうだね〜」

 と、二人揃って家に帰り始める。

「「あ」」

「気付いた?」

「クレルもか。なかなかやるじゃないか」

「これどうする?結構いると思うんだけど」

「そこまで分かるのか?」

「うん。ざっと二、三千ぐらいはいると思う」

「まさかスタンピードか?」

「いや、さっきの増幅炉のやつに反応したんだよ」

「ということは俺らを殺りに来たか…雑魚だけなら良かったのに…」

「速いヤツで大体あと一、二時間って所かな」

 基本的に、大規模な魔力や衝撃を感知してやって来るのは、自分の縄張りを守ろうとする強力なモンスターか、その支配下にあるそこそこ強いモンスターだけだ。んで、その強力なモンスター一家が数千単位で来るってことは、そのボスはヤバいよねってことだ。

「これはヤバいな。とにかくお前は帰って、母さんに知らせろ。国の兵士と冒険者ギルドにも応援を頼まないと…最悪国が滅ぶぞ…」

「父さんは?」

「俺はここに残って少しでも時間を稼ぐ」

「なら俺もここに残るよ」

「フッ、そう言うと思ったよ」

 と言って父さんは、懐から白い魔晶石を引っ張り出した。

「それは?」

「緊急連絡用の魔晶石さ」

「相手は?」

「冒険者ギルドのギルドマスターだ。俺と同期の強者さ」

 と言って魔晶石に魔力を通し始める。

「聞こえるか!?イギリシア、応答しろ!イギリシア!」

『こちらイギリシア、クレイヤか?さっきお前の家の方から物凄い魔力が出ていたが、大丈夫か?今こっちでも大騒ぎになってるぞ』

(あの衝撃波、そんなに遠くまで届いてたのか)

「ああ、そっちは大丈夫だったが、それに釣られて大量のモンスターが動き出して、こっちに向かっている」

『なんだと!?数はどのくらいだ?』

「ざっと二、三千って所だ。ウチまであと一、二時間って所だ。国と傭兵ギルドにも協力を頼みたい!」

『分かった。直ぐに手配しよう。お前はどうする?

 …いや、聞くまでもなかったな』

「いつもすまない」

『お互い様だろ。気にするな』

「だな。じゃあまた後で」

『…死ぬなよ』

「ああ、分かってる」

 と言って魔晶石を懐に仕舞った。

(『死ぬなよ』とかカッコよすぎだろ。マジで最高にカッコイイな)

「母さんはどうする?」

「母さんはもう気付いてこっちに向かって来てるよ」

「前に言ってた索敵結界ってやつ?」

「よく覚えてたな。その通りだ」

(そりゃまあ、これでも元は高校生ですからね)

「じゃあ…行こうか!」

「うん!」






 大いなる力の下に、怪物達は押し寄せる。

 我らが王の為、例えこの生命が尽きようとも、

 王の敵が滅ぶまで、永遠に戦い続ける。

 何故ならそれが絶対であり、

 我らの唯一無二の存在価値であるから。

週一投稿と言いつつ、こんなにも遅れてしまいました。なので、次回からは不定期投稿という形にさせていただきます。

今回で世界観もガッチリ固めたので、これでもう迷う事はあまり無いハズ…


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