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「さて、ではミーティングを始めるよ。今回のターゲットはルード・フォールン。核融合のスペシャリストね。どうやら海を行くクルーザーから潜水艦に乗り移ってそのままフォールス海対岸の『資本主義』基地まで行くつもりみたいだからそれまでに捕まえて首を掻っ捌くだけだね」
「わかった。それで使用可能な武器は?」
「いつもの3つとそこの歩兵くんが爆弾とRPG、ライフルを持って着いてきてくれるみたいだね。『資本主義』の主戦部隊を引き付けてくれるみたいだから泳いで潜水艦を沈めてきてくれ」
「ふむ、わかった。では作戦開始と行こうか」
ミアとアメリアが立ち上がり会議室から出ていく。メイソンは置いていかれていた。
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「随分と大きな船だな」
「巡洋艦ですからね」
『共産主義』製の軍艦に乗り込み、装備を整えていく。
「短機関銃に大振りのナイフ、その細長い銃はなんですか?」
「短距離狙撃銃だよ」
「短距離で狙撃……。ああ、VSSですか」
「そう、ライフル弾を使いつつも亜音速をキープし、音速を超えないから威力と消音性を両立させた銃だ。元はと言えばそちらの銃だろう?」
「200メートルも当てれたらいい所の銃なんて戦場ではあまり使いませんから。だいたい銃声が鳴り響く戦場で消音性はあまり関係ありませんし」
「まあ、そうなるだろうな。私達は市街地や山奥なんかも仕事の範囲内だからなよく使うんだよ。貫通力が普通の狙撃銃よりも少ないからターゲットだけを貫けるしな」
「なるほど」
そんなことを話しているうちに準備が終わった。
アメリアは短機関銃を腰にぶら下げ、ナイフは後ろの腰に、そしてVSSを背中に背負って準備を終えた。
メイソンは爆弾やRPGの弾頭入りのバッグを背負い、RPGの砲身とAK-47も背負った。
「さて、準備は出来たかな? 酸素ボンベは持ったかな? 出来るだけ無線でサポートするから頑張ってきて」
アメリアとメイソンが二人揃って30センチサイズの酸素ボンベを持ち、ホースを咥えて海に飛び込む。
ボッチャーンと音を立てて2人が海に飛び込む。
「えーと、潜水艦ってのはどこにあるんだ?」
『もう方向を見失ったの? 既に手荷物持ちくんが泳いでいる方向だよ』
「え?」
アメリアが振り向くとメイソンがスクリュー付きビート板を持ってある方向に泳いでいた。
2人して泳いでると潜水艦の姿が見えてくる。
「あの黒いのですね」
「さすがに大き過ぎないか?」
「200メートルを超えてますからね」
「って、おい。あそこに乗り込もうとしているのルード・フォールンじゃないのか?」
「うわ、本当ですね。ってどうするんですか?」
この距離でライフルで撃ってどうにかなるのかなと、ライフルを取り出したメイソンの背中からRPGを抜き取って構える。
「ライフルよりこっちの方が適してるだろ」
「え、でもそれはこの波の中で使うには照準が合わせにくいんじゃないですか?」
するとアメリアが下を指さした。
「お前が腰を支えてくれたらいいだろ?」
「う、嘘ですよね?」
「いいから早くしろ」
ううん、これは一体どうすればいいんだ? 言われた通りに支えればいいのかな?
いやそれは精神的にも絵面的にもやばい気がするけどとりあえずアイツを逃がしたら終わりなんだから覚悟を決めて、行くしかない。
とか長いことを考えた末にアメリアの腰に抱きついて支える。
と、次の瞬間アメリアが潜水艦のハッチに標準を合わせてRPGを発射した。
そしてものすごい勢いのガスがメイソンの体を叩いた。
「ん、メイソン、大丈夫か?」
「だ、大丈、夫です。それより、潜水艦はどうなりました?」
RPGを発射した直後にルード・フォールンがハッチの中に飛び込み、その後に弾頭が直撃。ハッチのジョイント部分が耐えきれなかったのかハッチが吹っ飛んで行った。
「ルード・フォールンは潜水艦の中だ。ついでに言うと潜水艦はハッチが飛んだだけだぞ」
「やばいじゃないですか。どうするんですか?」
「そんなもの追いかけるしかないだろ。ミア、ハッチを飛ばされた状態で潜水艦って潜れるのか?」
『潜れないよ。潜ったとしてもハッチの周りからヒビが入って危険だろうね。ついでに言うと潜水艦の速度は最大で車と同じくらいだから急いだ方がいいよ』
『資本主義』の潜水艦と比べれば明らかに小さい人間2人が潜水艦まで泳いでいき、中へと入る。
「広っ」
「原子力潜水艦ですかね」
と、入ってすぐに勤勉にもハッチ近くを見張っていた兵士と目が合った。
「なっ」
「あ、すいません。通ります」
メイソンが何事もなく通ろうとするが当たり前のように、貰った金の分だけは全力で仕事する兵士に止められる。
どうやら手持ちの銃は潜水艦の壁に穴を開けないように小口径で沢山の弾をばらまけるサブマシンガンを採用しているようだ。それに対してメイソンが持っているものはコンクリートの壁も壊せるライフルと戦車にも穴を開けるRPGだ。
もちろん、この場所で撃つわけにはいかない。
すなわち銃を突きつけられて殺されそうになる。
「こ、殺さないでください。殺しても美味しくないですよ」
「何を言ってるんだ? 殺したりするわけがないだろ」
お? もしかして味方してくれる展開かな?
と、メイソンが絶対にありえないことを想像するがすぐに現実を突きつけられる。
「『共産主義』に捕虜として突き出したら小遣いが貰えるんでな。大人し」
『資本主義』の兵士のセリフが途切れたのは首と体が離れ離れになったからだ。
正確にはアメリアが自分から銃口が離れた瞬間を狙って大振りのナイフで『資本主義』の兵士の首を切り落とした。金にがめつい『資本主義』の兵士はその綺麗に切られた首の断面から噴水のように血を吹き出し、ビクビクと震えてから動かなくなった。そして落ちた首はメイソンの足元近くに転がっていた。




