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カイト&メイソンの軍事交換日記  作者: 龍鳴 竜
6日目 2人の兵士は獣を狩るByカイト&メイソン
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5ページ目

「その実験ってアメリアさんと似たようなものですか」

「そうだね。目標が完全な生物って点では同じかな」


 そのアメリアさんはさっきのデート(男性と女性が2人きりで出かけたらデートなのである)で買ってきた70センチくらいのテディベア(何故か付いてきた)をモフモフしたり、テディベアの腕でメイソンの頭や肩をポンポンしているのだが可愛いからそのまま置いて置かれている。

 どうやらあまりこういう可愛いものに触ったことがないアメリアには珍しいものとして写っているようだ。


「ただ、どちらかと言えばどんな場所でも生きていられるという点を中心に研究されたクマでね。本当にどんな所でも生きていられるんだよ。それこそ砂漠から北極までね」

「そして戦場でも生きていられると」


 ミアが大きく頷く。


「そんな化け物の首輪を獲るなんて無茶じゃないですか?」

「いくら化け物でも睡眠は必要でねその間に短距離狙撃銃で首輪をちぎって落ちたものを回収する予定だね。毛皮は防弾でも首輪は犬用を大きくしただけだからね」


 すなわちクマから首輪を落としてクマを遠くに誘導し、他勢力とドンパチやっているうちに落ちた首輪を回収するというものである。


「ほ、それなら簡単ですね」

「まあ、吹雪の中での精密射撃になるだろうけどな。もちろん他勢力からのちょっかいを回避しながらの」


 アメリアから明らかに高難易度の条件を伝えられメイソンが青ざめる。


「と言っても足止めの方法がな」

「あまりないんだよねぇ」

「スタングレネードは?」

「他勢力を呼び出すだけだよ」

「なら、衝撃波で頭をゆさぶっちゃいましょう」


 そう言ってそう言って取り出したのは地雷やら爆弾やらを処理する時に使う金属の筒だ。

 普通の処理では不可能と判断された爆弾を爆発させることによって処理するタイプのものだ。

 もちろん超対爆仕様である。


「これの蓋を取って爆薬を中で爆発させると衝撃を前だけに飛ばすことが出来るんですよ」

「だがある程度の距離もあるし、だいたい鋼のような筋肉を持ったあれにダメージを与えられるのか?」

「クマ本体にダメージを与えなくても首輪の皮の部分さえ壊せればいいんですよね。というか首輪に入ってる研究成果ってカプセルか何かに入ってるんですか?」

「ああ、像が踏んでも壊れない対核用のカプセルに入っているはずだよ。まあ、それくらいしておかないと研究成果が壊れちゃうからね」

「なら爆薬を増やせば何とかなりそうですね」

「いや、無理だな」


 ようやく満足したのかクマのぬいぐるみを離したアメリアがプラスチック爆弾を手に取る。


「爆薬の量を増やせばその分だけ反動も強くなる。爆発させた時に筒を抑えられなかったら無意味だぞ」

「RPGと一緒ですよ。後ろにも爆発の衝撃を送って反動を打ち消すんですよ」

「後ろにってどうやるんだ?」

「そりゃあ、もちろん」


 2つ目の筒を取り出してそこの部分を合わせる。


「2つの筒を逆向きにくっつけるんですよ」


 つまりはこういうことである。

 前の筒からレーザーのように真っ直ぐに標的に向けて衝撃波を飛ばし、後ろ向きに付けた筒からも衝撃波を飛ばして衝撃を相殺するという事だ。

 もちろん通常の2倍の火薬が必要だが反動がゼロに近くなるというのはそれを上回るほどのメリットである。


「よし、上手くいきそうだしそれでいこうか」



 ───────────────────────



「んで、その熊ってどうやって倒すつもりなんだ?」


 全身を駆け巡る激痛から回復したレオンがカイトに聞いた。


「なんでも防爆、防煙、防火、防水、防弾、まあ、その他もろもろの毛皮を着ているみたいでね」

「何そのスーパーマンみたいなやつ」

「もうだから殺すことより先に動きを止めることに専念するみたいだよ」

「殺すよりも動きを止めることの方が難しい気がするんですけど」

「それが、そうでも無いんだよ。どうもいくら化け物でも酸素がなかったら気絶するみたいでね」


 逆に息しなくても生きられるとか言われたら何も出来なくなるぞ

 みたいな表情のレオンを無視して話を進める。


「だから酸欠で気絶させればあとはどうとでも調理できるんじゃないかって作戦」

「毒じゃダメなんですか?」

「毒なんてすぐの効き目が切れそうなものは信用出来ないんだよ」

「なるほど」


 マイラが納得したように頷く。だが未だに不安そうなのはレオンだ。


「んで、どうやって酸欠にするんだ?」

「氷点下でもじゃんじゃん気化する寒冷地仕様の燃料を撒いて爆発させるんだとよ」

「なんか聞いたことのあるセリフだな」

「南極で俺らが使った手だよ」

「それを今度は北極でやるわけか」


 はあ、と二人がため息をつく。


「それで俺らは結局何をするんだよ。ガソリンでも撒くのか?」

「いや、手作業で撒くなんて自殺行為なことをする気は無いよ。撒くのは戦闘機の仕事だよ。だいたいそのためにミーレス率いる航空部隊がいるんだろ?」

「じゃあ俺ら地上部隊は何をするんだよ。熊と遊んどけってか?」

「惜しいね。実際は動きの止まった熊にトドメを刺す役目だよ」


 ズーンと空気が重く3人の方に乗りかかる。


「な、ん、で、ですか! そのまま戦闘機で仕留めたらいいんじゃないですか!」

「酸欠させるために周りの空気を根こそぎ燃やすんだ、戦闘機やらなんやらが飛ぶだけの酸素なんて残ってないよ」

「ならヘリは」

「ヘリを出すんだったら歩兵を出した方が安上がりなんだろうよ」

「クソッタレが」


 戦争なんてそんなもんだよ

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