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「ふ、2人共、もしかしてそれが正しい食べ方なんですか?」
自分が勉強した食べ方は普通ではなく、実際の食べ方はああするんじゃないのか。
ということである。
だがどうやらその考えは杞憂だったようだ。
「え、だって気持ちいいじゃん」
「そうか、ここ北極だから溶ける溶けないの心配しなくていいのか」
まあ、どちらがレオンでどちらがカイトなのかすぐに分かると思う。
そしてそんな変態さんには余計な心配をした乙女からのキックが待っているのだが箱のようなものに座っている状態で正面から蹴られたので急所にズドンと入り込んだ。
まあ、どこぞのロリ少将のように鋭くてキレのあるキックじゃなかったので大丈夫だろう。
カイトの方は真っ当な理由っぽいし、恋している相手なのでお咎めなしである。
「……理不尽だ」
「日本とは違ってここは寒いですからね。ゆっくり食べても問題ないですよ」
乙女イヤーはどうやらフィルター付きのようだ。
「うーん、本当は暖かいところで食べたいんだけど……も?」
カイトが辺りを見回すと、良さそうな部屋を見つけた。
そこは暖かそうに窓が曇っている。
そんな部屋を見つけたカイトはその部屋にダッシュして。
追い出されました。
「だ、大丈夫ですか?」
「……鞭打ち10回の刑までさせられたぞ」
あ、蛇足かもしれないけど鞭打ち100回の刑は腕が疲れて大変なので体力も見た目通りの『あの』少将はやりません。
「しかし、あの部屋、シャルロットさんの部屋だったんですね」
「ああ、暖房がついてる時点で気づくべきだった」
この様子だと鞭打ちだけでなく秘書からもお仕置きを受けたのかもしれない。
そんなぐったりしているカイトをちゃっかりマイラが膝枕している。
「くそー、せっかくかき氷が美味しく食べられると思ったのに」
今も美味しい状況じゃないかな?
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「で、その大荷物は何なのかな?」
「私の買ったものだぞ?」
「いつもはどこにいても不思議じゃなそうな質素な服を買ってくるよね」
「いや、何故かわからないんだが服を手に取る度にメイソンが口を挟んできてな」
大きな紙袋をいくつも持ち、床にへたりこんでるメイソンにミアが視線を移す。
「まさか、ここまで、可愛い服を、買わない、女性がいるとは、思いませんでした」
まだ少し息切れ気味だがすぐに治まるだろう。
「さて、可愛らしい服を買ってきたところ悪いけど仕事だよ。とりあえず船に乗ってくれ」
サーシャを先頭に宿の裏にあった船に乗り込んだ。
「なぜ砕氷船なんですか?」
「北極に行くからだよ」
「北極!」
メイソン以外のメンバーは既に知っているのか全く動揺していない。
「それで、北極に逃げたのはどこのどいつなんですか?」
「食肉目クマ科のコディアックヒグマだよ」
ショクニクモククマカのコディアック・ヒグマ? 面白い地名に面白い名前だなー
なんて現実逃避しているメイソンの目の前に写真が出される。
「こんなクマだよ」
「いや、4メートル超えてませんか? 3メートルあれば世界最大とか聞いたことがあるんですけど」
「体長4メートル半、ダントツで1位だね」
メイソンの顔から血の気が引いていく。
もっともそれが恐怖か寒さによるものか、それは分からない。分からないったら分からない。
「……それを殺すんですか?」
「いや、今回はちょっと違うね」
今度は何やら勢力名がたくさん載っている書類を取り出す。全部で20は超えているだろうか。
もちろん1番上は3大勢力が勢揃いである。
「『資本主義』やらその辺のテロ組織や革命家が揃ってこのクマを取りに来ていてね、さすがに殺して回収するのは難しいらしいから狙うのは首輪だよ」
「首輪ですか?」
「そう、他の実験結果は与えてもいいんだけど首輪だけはまだ『神政主義』以外の勢力には早すぎる技術、オーパーツみたいなものだからね」
そんな返答を聞いてまたまた引っかかるところをメイソンが見つける。
「……実験結果ってなんですか?」
というかこの辺になってくるとメイソンも雪だるま式にやばさと疑問が膨らんでいって最終的に
Qこの絶望的な状況をどうやって生き延びたらいいのですか?
Aファイトー
と、なりそうなことに気が付いているのだが全力で無視する。
「実験動物として色々な薬物やら改造やらを受けたクマだからだよ」




