表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カイト&メイソンの軍事交換日記  作者: 龍鳴 竜
3日目 海の上で爆弾パーティByカイト
12/31

4ページ目

「知らねぇよ、でもこれでこの作戦も終わりだからな。これで少しの間は休暇が貰えるぞ。良かったな学生さんよ、勉強が捗るぞ」

「その前にまずはレーションでパーティだよ。こんな大変な作戦を終わらしたあとに即勉強ができるほど優等生でもないんでね」


 既に勝ったような会話をしているカイトたちだが自分たちと違って衝撃波や高波に襲われなかった兵士たちが喜んでないのを見て不安に襲われる。


「お、おい、なんでみんなそんなに真剣な顔をしてんだよ。もっと喜ぼうぜ?」

「あなたは馬鹿ですか!、早く通信機の電源を入れてください」

「え? あっ、くそ、波に巻き込まれたときか」


 カイトが大声を出してきたマイラの言う通りにいつの間にか切れていた通信機の電源を入れる。


「通信機って言ってもこんなチャフの中じゃ使えないぞ」


 いくらチャフが重くて落ちる速度が早いと言ってもまだある程度舞っている状態だ。甲板くらいの高さなら使えるかもしれないが海面近くで使えるはずがない。


「そしたらイヤホンつけて海中にドボン!」

「お、おう」


 言われた通りにカイトとレオンがすると『資本主義』軍の通信が聞こえた。


「そうか、チャフが海面でぷかぷか浮いてるから海中はチャフがないんだ」


 カイトが耳をすまして通信内容を聞き取ろうとする。


「くそ、どんだけ飛び交ってるんだよ。俺宛以外も受信してるせいか全く聞き取れねぇ」

「それなら私が大まかに説明します」


 同じように片耳にイヤホンをつけたマイラが説明を始めた。


「船底に穴が空いた場合、対処出来たら対処して、今回のように対処出来ない場合は脱出するのが普通ですよね」

「ああ、だから落ちてきたヤツらを撃ち殺すのも俺らの役目だろ?」

「その落ちてくる奴らが一人もいないんですよ。それどころか甲板にいる全員が規律を持って動いていて誰一人取り乱したりしてる奴がいないんです」

「それだけじゃないぞ」


 カイトがペンサイズのスコープのようなものを覗きながら言った。


「船の下あたり、爆破したところを見てみろよ」

「うん? 何も変わったことはねぇみたいだが」

「お前の目は飾りなのか? 爆破部分はもうほとんど沈みかけてるがまだ海水を吸い込み続けてやがる」

「それがどうかしたのか?」

「普通なら既に隔壁が閉じてる時間帯だぜ? つまりまだ隔壁が閉じてねぇんだよ」

「は? そんなことをしてなんの意味があるんだよ。隔壁を閉じないで良い事なんて重心が安定するから甲板が傾かずに沈めるってことくらいしかねぇぞ」

「ああ、傾かずに沈めるからといって沈む速度は比べ物にならないくらい早いんだぞ。何がしたいんだか」


 不安そうなカイトを横目に軍艦が沈んでいく。


「お、おい何か機械的な音でてねぇか?」

「うわ、絶対やばいやつじゃん」


 カチカチカチカチと音を立てて軍艦がゴム板のあたりから横にずれ、甲板が軍艦の後ろから少しずつ飛び出していく。

 そして


「おいおい、マジかよ。甲板だけで浮いてやがるぞ」


 甲板だけが海の上に滑り、 波紋を立てながら浮いていた。

 そう、まるでエアークッション船のように。


「くそ、あのゴム板、ホバークラフトのスカート部分かよ」

「とりあえず逃げた方がいいんじゃねぇのか?」


 そうだな、と短く返してカイト達がその場から離れる。

 その直後『共産主義』の軍艦、いやエアークッション船がものすごい速度で駆け抜けていく。


『あなた達早くそこを離れて!』

「無茶なことを言わないでください、今あれの進路から外れるだけで精一杯ですよ」

「とりあえず学生さんよ一旦逃げるぞ。もう一度来る!」


 またエアークッション船が通り過ぎ、カイト達がエアークッション船の出す突風と波によってぐちゃぐちゃにされる。


「くそ、なんでホバークラフトが船の上に乗ってたんだよ」

「ホバークラフトは大量の燃料を使うんだ、あれはそれを輸送するための輸送船だったんだよ」

「ちっ、1隻やられたぞ」


 レオンの視線の先では味方の軍艦が1隻、エアークッション船の集中攻撃を受けて沈んでいった。


「元々軍艦っていうのは至近距離のそれも下方向の敵を狙えるように出来てないんだ。それにあの速さで動いているんだ、当てられるわけがない」

「とことん相性悪いな、ちくしょう」


 だが南極の英雄さんはこれくらいではへこたれないようだ。

 スコープを取り出してエアークッション船の弱点をどうにか探ろうとする。


「おい学生さんよ、何か見つけられたのか?」

「いや、早すぎて追いにくい、どうにかして攻略法を見つけられればいいんだけど」


 そこまで話を聞いたレオンがカイトの肩を掴む。


「何言ってんだよ、俺達が攻略法を見つける必要なんてないんだよ。南極の時とは違う。今の俺達には作戦立案を専門とする頭脳担当と責任者が揃ってるんだそいつらに任せとけばいいんだよ」

「なら俺達は何をしてろって言うんだよ」

「それを決めるのが上の役目だろ?」


 レオンが指示を仰ぐために通信機の電源を入れ、シャルロットに繋げる。


「少将、俺らが何すればいいかの説」

『あなた達あのエアークッション船の攻略方法を考えてくれているみたいね』

「はい、でも情報が全くなくて攻略しようにも糸口が」

『お前らのほうに情報処理班が予測した設計図を送っといたからそれを見て』

「おいおい、こういうのは元々作戦立案の奴らがやる仕事だろ、なんで俺達がしないといけないんだよ」

『現在、大企業の令嬢がこの戦争に参加しているの。今私達は彼女を生かして返すことに全力を注いでいるわけ。でもそうするとあいつらが野放しになるからあなた達にどうにかして欲しいのよ』



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ