25.最終決戦
「リリファの泉で作ってきた。君の剣」
クロウに鞘付きの剣を投げられたのでそれを拾う。
赤い刀身の剣。元々持っていたものにそっくりだ。
「どうしても戦うと言うんだな。
お前が本気になったら、全力を出したって負けるぞ」
「そのうち春華さん達が来る。みんなで戦えばいい。
もっとも僕は、その前にルースの首が欲しいのだけど」
クロウは虚空から鎖鎌を出した。
「そうか。わかった。
お前とこれから生きるんだ!
死ぬ訳には行かない!」
「嫌だって言ってるだろ!!」
剣と鎌がぶつかり鈍い音を立てた。
空腹を覚えるようになったのはいつからだろう。
僕は食事がいらない筈だったのに
ルースを笑顔で送り出したらお腹がすいた。
帰らないルースを待っていたらお腹がすいた。
腕が痩せ、羽根が黒く変わってもルースは気付かなかった。
俺が無くした綺麗な羽根をお前が持っていて良かった……
って、寝る前に褒めてくれることもなくなったから。
「ルースには羽根戻ったじゃない。だから僕なんていらないでしょ」
お互い飛べるから空中戦だ。
僕よりルースの方が飛ぶのが上手いから不利だ。
「そうじゃない、お前が居なかったら羽根なんて」
「じゃあその羽根頂戴」
僕が突撃するので慌てて剣をひく。
ルースは誰と戦ってるの?
落ちる彼を押さえつけ詠唱する。
「君の自由を奪ってあげる
呪縛氷羽」
雪がなくとも生命力を奪われれば地面は凍る。
ルースの羽根は地面についたまま凍った。
「…っ」
「こうやってルースに乗ってるとね、最後の日を思いだすね」
「……
結局お前はおはようのキスもしなかったじゃないか」
「僕が死ぬことに気付かなかったルースが悪いんだよ」
「それは確かに、俺が悪かった」
ルースは魔力を開放して温度を上げた。しまった。
自由になった腕で抱き締められる。
「羽根がなくなったらまたお前のことが見えなくなる。
頼む、許してくれ」
「何?
僕のために羽根を得たとでも?」
「俺は人間になり得ないんだ」
「嫌だ、ルースは人間として生きるんだ!」
僕はルースを突き飛ばす。




