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21.絵
何処かわからない木製の建物の内部。キャンバスがいっぱいある所を見るとアトリエかな。
描きかけの黒髪の天使たち。紫色の瞳。
あそこに腰掛けているのは紫水さんだろう。
王様だった時のように明るい黄色の、けれど肩ほどで切った長さの髪。
紫水さんじゃない?
よく見ると服装が簡易過ぎる。
白いシャツと紺のズボン。まるで現代人みたい。
「そっちの世界は疲れるんじゃないか?」
急に話しかけられて驚いた。私はここに立っているんだろうか。
「お前みたいに魂がブレてる奴が馴染める訳がない。まるで俺みたいだ」
「紫水さんは、馴染めなかったんですか」
「俺が馴染めなかった訳じゃない。世界が俺を嫌いだっただけだ。
絵はいいよな。キャンバスの中に魂を逃がせる」
「そうですね」
18歳の私が下手でも絵を描いていたのはそういう理由だろう。
「俺はクロウと、向き合わなくちゃいけないんだけど」
まぁ向き合ってもりょ\(^o^)/だけで返されるかもしれないし……。
「死にそうな人が近くに居たら、それは怖いと思いますよ」
「そっか。
……そうだよな」
仕方ないか、と言ってルースさんは筆を置いた。




