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虹の国   作者: 中原
19/26

19.紫水の過去

両親は私を愛していた。

だから羽根は人間に相応しく切るのだと言った。妖精だった父でさえ、自分も切ったのだと。

けれど俺は羽根がなくては何のために生きているのかわからなかった。

失われた羽根を求め森に下り、まだ羽根のままのクロウに出会った。


森で暮らすのは楽しかったけれど、羽根を失った俺は妖精では居られなかった。

生死を彷徨った俺は人間に保護されて、人間界に戻った。

その時クロウもついてきて、俺とクロウは一緒に暮らすようになった。

それからは……

あまり覚えて居ない。

微弱な魔力しか持たない俺は変に目立つだけで、魔物ではないのに人間には馴染めなかった。

クロウを外に出したら俺のように羽根を刈られると思うばかりで、

クロウを外に出さす、俺は外であまり良い待遇を受けず……

次第にクロウ相手にも笑えなくなって行った。

そのうちクロウを殺す夢を見るようになった。

それは誘惑。力の弱い魔物は強い魔物を食えば強くなれる。失った羽根も元に戻るかもしれない。

俺はクロウをさらに遠ざけるようになった。

そんな中シェンに出会い、俺は一時の安らぎを得て人になるかどうか悩む。

クロウはそれに気付いて森に帰った。

そこで俺達は終われなかった。

クロウは森で死ぬつもりだったのだろう。けれど出来なかった。

クロウは力の強い精霊で、常時は本人も気付かぬうちに他のものに生命力を分け与える存在だった。

だからそれが反転した。

俺はクロウを殺した。

クロウの領域は時が止まっていたので、俺は何百年かそこに居たのだろう。



何故殺したのかと聞かれれば、どれも正確に答えられない。

魔王を退治する勇者のように。

クロウを殺した後の俺は紫眼を自由に操ることが出来たから、俺に都合の良い伝承を作り上げた。



闇の中に光がさすことがあった。

翠のことは怖くなかった…

私は養父という体裁で彼を拾ったけれど、精神的には精霊の彼が上、私は頼りきっていた。

何故彼のことは怖くないのかはわからない。

けれどだから私は過去をやり直したくなった。

クロウを殺したくなかった。

あれは間違いだったと思うようになった。

何故翠とするように顔を合わせ茶を飲んだりする

それだけのことがクロウとは出来なかったのだろうと……

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