トウドウ・ナコ《その一》
わたしはずっと独りぼっちだった。
不思議な力を持って生まれたわたしは化け物と呼ばれて、親に捨てられて施設でも誰も仲良くしてくれなかった。
だからこの世界に来たときに助かった、逃げ出せたって思った。
でも何も食べるものが無くて、人も見つからなかった。寒かったし、歩き回ってるうちにあちこち擦りむいた。
このまま死んじゃうのかなって思ったときに、ステータスを見つけた。
ステータスにはわたしの情報が書いてあった。名前や体重や血液型まで書いてあった。
他にはわたしの不思議な力や召喚術の事が書いてあって、その召喚術で呼び出してしまったのがシャロンさんだ。
シャロンさんはわたしに優しくしてくれて、でもわたしの力を知ったらまた化け物扱いされるかと思ったら怖くて言えなくて。
ずるいわたしはシャロンさんに甘えて、足手まといになって死んでしまった。
シャロンさんはわたしのために泣いてくれて、側で寝ていてくれる。
だからわたしもシャロンさんの隣で眠ってる。ごめんなさいシャロンさん。
ありがとう。
いつかまた、一緒に冒険したいな。
その時は足手まといにならないように、頑張らなくちゃ。