ナコの容態
検査はどこでも出来るらしく、このまま同じ部屋で行うことになった。
「じゃあ、始めさせてもらうよ」
何かされるのでは無いかと不安だ。不安だが、しかしナコの様子は確かにおかしいのだ。このまま何もしないでいるのも心配だ。
「おかしな事は絶対にするなよ」
私が睨むとシチがぎこちなく笑う。
「ア、アハハ、あんまり睨まないでほしいかな」
私の勘を信じるのであれば大丈夫な気はするが、心配なものは仕方が無いのだ。だが、睨んでも仕方が無いのは事実だ。
私がシチを睨むのを止めると、改めてナコの検査を始めたようだ。
「…………」
一見すると何もしていないようだが、魔力が働いているところを見ると、確かに何かをしているようだ。と言っても、具体的に何をしているのかは全くわからないが。
「これは、やっぱり……」
シチが何かを呟いた。
とても気になるが、邪魔になるのも嫌なので黙っていることにしよう。特に妙な事をしているわけでも無さそうだ。
「大体わかったかな」
「本当か? ナコは一体どうしたんだ? おかしな事はしていないだろうな?」
「アハハ……」
矢継ぎ早に質問すると、シチは一瞬困ったような顔をしたが、すぐに答え始めた。
「本当だよ。ナコちゃんはやっぱり大きな力のせいで消耗していたんだ。それと、おかしな事もしてないよ」
大きな力のせいで消耗していた?
私はさらにシチを問い詰める。
「その大きな力とは何だ?」
「ステータスの機能としてレベルシステムが有るんだけど、それによってナコちゃんの能力が短期間で劇的に上昇していったんだ」
ステータス……ナコが言っていたあれか。強くなったナコの能力と言えば……。
「身体能力や魔力、超能力も強くなっていたようだな」
召喚は最大容量が上がったらしいし、帰すことも出来るようになっていたな。
「それによってナコちゃんの体に負荷がかかっていたんだ。余計なエネルギーを消耗してしまって、それで起きていられなくなってしまった」
強くなった力に耐えられていない状態なのか。
「どうすればナコは回復するんだ」
「栄養を取らせてゆっくり休ませていれば、その内、起きていられるようにはなるかな。でも、それは根本的な解決には成らないし、体に負担は掛かり続けてしまうんだ」
余計にエネルギーを消耗し続けるのは変わらないのか。
「他に方法は無いのか?」
「あるけど、とても難しい方法なんだ」
「教えてくれ」
ナコのためなら、どんなに難しいことでも成功させてみせる。




