表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/48

ナコの異変

 部屋に戻ると、ファルナとマリーが額に汗を浮かべながら空中に魔方陣を描く練習をしていたが、まだ上手くいかないようだ。

 魔方陣を描けても、それを保ったまま発動に必要な魔力を送らなくてはいけないのだ、先は長いだろう。

 ウサギはナコと一緒に寝ているようだ。


「あ、お帰り」


「あの二人はどうしたの?」


「宿をとって、国王に会いに行った」


「お、王様に?」


「あの王冠って、本物だったのかしら……」


 少し可哀想になるな。


「おはよう……」


 ん、起きたか。


「ナコ、大事な話があるんだ」


「なに?」


「ファルナとマリーはもう戻ってもいいぞ」


「わかった、また何かあったら呼んでよ」


「またね、ナコちゃん」


「うん、バイバイ」


 さて、これで二人きりだ。


「実はイヴの国には日本の事を知っている者がいるらしい」


「日本の? 本当?」


 やはり故郷とは懐かしい物なのだろうか?


「その人物がナコに会いたがっているらしくてな」


「わたしに?」


「ああ、それでその国へ来て欲しいと言っていた」


「でも、学校は?」


「ナコがしたいことをすればいい」


「わたし……わからない」


「わからない?」


「まだ一日だけだけど、ファルナとマリーはすごく仲良くなれたし、他にも友達がたくさんできた。授業も楽しかった」


「じゃあ、行かないのか?」


「でも、日本のこととかわたしに会いたがってる人のことも気になる」


「うむ……別に今すぐ決めなくてもいいと思うぞ、明日イヴはまた来ると言っていた」


「うん、イヴさんにちゃんと聞いてから決める」


「ところでナコ、この魔方陣に触って魔力を流してくれないか?」


 前と同じテスト用の魔方陣を展開する。


「え? でもわたし変身しないと魔法使えないよ?」


「いや、今のナコからは確かに魔力を感じるんだ、確認したいからやってみてくれ」


 どういうことか、ナコは確かに魔力を持っていた。起きたウサギはナコの足元で首をかしげている。


「わかった。んん……!」


 ナコが触れると白かった魔方陣が青く光り輝き出した。確かにナコは魔力を持っているようだ。


「なんで……あ、まりょくきかん?」


「なんだそれは?」


「他にもたくさん、スキルが増えてる」


 スキル……ステータスに書いてあるのか?


「他にも何かあるのか?」


「うん、いつの間に増えたんだろう」


「何か他に変わったことは無いか?」


「うーん……体が軽いような?」


 見た目は全く変わっていないが、何が起きているのだろうか?



 結局詳しいことは解らず、この日は早めに休むことにした。

 私はナコが寝た後に学院の図書室で調べものをしていたが、欲しいと思っていた情報はあまり見つからなかった。しかし常識的な知識は少しは身に付いたはずだ。

 次は城の書庫に行くか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ