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入学手続きと学院長の長い話

 部屋の準備をしてもらっている間、入学手続きをしながら学院長の長い上にころころと変わる話に付き合っていた。ナコも真剣な表情で、兎と戯れながら聞いていた。

 長い話の重要な部分を纏めると、この学院は昔々、世界の各地で活躍したと言われているとあるお方が建てた孤児院が元になっていて、その孤児院を国が大きくして無償で誰でも入れる学院として、どんどん大きくしていったのが今の王立魔道学院だということと、この世界の通貨の大体の情報や、二百年間結界に閉ざされたままの楽園と呼ばれる都市のこと。それに地下迷宮に何か異変が起きたらしく、その調査を私達に依頼したいということだ。

 他には霧が晴れない森とその近くにある街の話や、その森には魔女が住んでいるとか、竜の住む山は頂上が雲の遥か上にあるとか、とにかく様々な話に変わり続けた。

 ナコがタイミングよく相槌や質問をするのに気をよくしたらしく、学院長の長話は止まるところを知らない。


「そういえば、お二方は制服を着ますかな?」


 また唐突に話が変わった。


「着たいです!」


 即答だな。


「ほうほう、シャロン殿はどうされますか?」


「私も着よう」


「では用意しましょう。後程採寸をするので、医務室まで来て頂けますかな。あの二人に校内を案内させるついででよろしいので」


「わかった、そうしよう」


「これ書き終わりました」


 やっと学院長の長話から開放されそうだ。


「私も終わったぞ、そろそろ寮を見に行きたいのだが」


「そうですな、丁度良い時間でしょう」


 では、行くか?


「がくいんちょー、部屋は私達の隣で、準備終わりました」


 マリーが戻ってきたようだ。丁度のタイミングだな。


「ファルナはどうしたんだ?」


「部屋は準備し終わったから他の準備をするって。あたしは二人を呼びに来ました」


「ご苦労じゃったな、後でお二方に学院を案内するように」


「わかりました」


「では、何かあればすぐに呼んで下され」

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