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変身!?魔法少女!?マジカル・ナコ!

 あれ、わたし……また寝ちゃったの? 

 ここは……って誰? 黒い仮面に帽子とコート?


「あの……」


 ……もしかして、わたしさらわれてる?


「…………」


 ここはお城の庭だ。

 わたしは抱えられて、仮面の人は走っている。

 あっ騎士さんだ。


「見付けたぞ!」


 本当にさらわれているの?


「救世主様を放せ!」


「……!」


 あっ、下ろされた。あれ?


「…………」


「観念するんだな!」


 あわてて仮面の人から離れたけど、追ってこない? 騎士さんが狙われてる?


「ぐわーっ!」


 爆発が起きて、騎士さんが、ふっとんだ……死んじゃってないよね? どうしよう、怖い。

 腰が抜けちゃったみたい。逃げられない。でも、わたし戦えないし……シャロン……。だめ、だよね。

 シャロンに頼ってばっかりじゃ、だめだよね。何かわたしに出来ることは……。

『ステータス』を開いてみたけど、能力は……変身? 前に見たときは……あれ、前に見たのって死んじゃう前だっけ。

 じゃあ神様がくれたのかな? でも変身? 今は使えないみたいだし。

 あ、召喚のキャパシティが空いてる。最大が増えたみたい。とにかくやるしかないよね。


 --召喚!


 出てきたのは白と黒の兎さん? かわいい。でも、これじゃあ……。あれ? 変身出来るようになってる?

 兎さんが自己主張しようとちょこちょこ動いている。仮面の人はこっちを向いている。どうしよう、こっちに来る。


「もしかして兎さん達が?」


 胸を張って耳をピンと立てている。


「うん、じゃあお願い。わたしは今までシャロンさんにずっと甘えてた」


 わたしが弱かったから。


「でも、それじゃだめだよ、わたしもシャロンに頼られるようにならないと」


 これからは強くならないと。でも、まだ一人じゃ何も出来ない。


「だから! お願い、力を貸して」


 兎さん達が二本足で立ち上がり、目を細めて頷いてくれた。私も震える脚を押さえて立ち上がる。


 --変身!


 強く念じると私達は光に包まれた。感じる、強い力……優しく包まれて……。

 光が収まると私はまるでアニメで観た魔法少女みたいな格好をしていた。本当に変身しちゃった!

 魔法も使えるみたい。兎の耳と尻尾も動く! これなら戦える!


「えいっ! えいっ!」


 アニメで見た戦いかたを真似して、弱い魔法を連射してみる。

 光と闇の魔法を武器の形で杖の宝石から打ち出せるみたい。

 他にも出来ることがたくさんあるけど、今はこれだけで大丈夫かな?


「…………」


 全部避けられてる。でも、これならっ!


「いくよっ!」


 さっきまでと見た目の変わらない魔法。でも、これは特別製なのよっ。空中で軌道を少し変えて変な風に受けさせる。引っ掛かったわね、今よ!


「これで!!」


 バランスを崩した仮面の人を光の檻で閉じ込める。やった!

 でも、これ本当は魔法少女が捕まっちゃう回で、悪役の魔法少女がやってた戦いかたなんだよね。

 上手くいって良かった。でも、気分は悪の魔法少女だよ。

 後で改心して正義の魔法少女になって、衣装の色も黒から白に変わるんだよね。

 私の毎週の秘密の楽しみだったあのアニメ、ちょうど最終回が終わったところだったんだよね。良かった。

 あれ、また眠たく……。


「ナコ、頑張ったな」


 シャロン……わたし、頑張った、よ……。

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