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衣食住の充実

 運ばれてきた料理を見たナコは涎を垂らしそうだった。

 私の判断基準はナコになってしまうが、どうやらこれは豪華な食事らしい。

 王が食べてもよいと言うとナコが何かに祈るように手をあわせて呟いた。


「いただきます」


「……いただきます」


 ナコにあわせて私もやっておいたが、王が首を傾げていたのでこれは日本という国のものなのだろう。


「美味しい!」


 うむ、ナコは満足しているようだ。

 私は空腹を感じたりはしていないが味はわかるようだ。

 うむ、なるほどこれが美味という感覚か。これはいい。

 他にもこのような美味い物はあるのだろうか。



 しばらく食べ続けていると、ナコが眠たそうに目をこすり始めた。


「ごちそう、さま、でした……」


「王、部屋の準備は出来ているのか?」


「はい、すでに終わっていると思いますが」


「ではナコを連れていくので案内して欲しい」


「わかりました」


 ナコは料理に頭を突っ込みそうになっていたので、私の腕の中で眠ってもらっている。

 そのまま起こさないように運んで王が直接案内してくれた部屋へ向かう。



 ナコを巨大で柔らかい、天蓋付きのベッドに寝かせてからこれからの事を考える。

 まずは何よりもこの世界の事を知らなさすぎる。ナコも知らないだろうからまず王に要求するものは知識だな。

 それからは……その時考えればいいか。



 しばらくナコの横に寝転がっていると扉を叩く音が聞こえてきた。

 ベッドが一つしかないのはナコが嫌がらないならば別に良い。ナコが起きたら確認しよう。


「お召し物をお持ちしました」


「入っていいぞ」


 許可を出すと三人のメイドが入ってきた。昔勇者のお供のメイドと戦ったときは勇者より強かった事もあったな。

 だがこのメイド達は強く無いようだ。やはりあのメイドが異常だったのか。

 手には二着の服を持っているようだ。


「これをどうぞ」


 差し出された服はキラキラとしたドレスだ。


「ではそちらのお嬢様を私にお召し替えさせていただきたいと思うのですが、よろしいでしょうか」


 私の服は別に何でもいいが、ナコはあまり重い服は駄目だろう。

 こんなに重くて動きづらくて、ナコは着ているだけで疲れてしまうんじゃないか?


「もう少し軽い、簡単な服は無いか?」


「かしこまりました」


 代わりを持ってきてくれるようだ。

 一人で着られないような服では大変だろうし、私も面倒だ。

 ちゃんと注文を付けておこう。



 一通り落ち着いたのでゆっくりと考え事をすることにする。

 今はあれからどのくらい経ったのか、この国はどのようにして復活したのか。

 ……王には色々聞きたい事があるな。

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