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シンジのダンジョン  作者: 我輩も猫である
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プロローグ

 気がついたらそこにいた。

 俺の名前は久遠クドウ 信二シンジだ。年齢は20の大学生。身長は結構高い。顔はそこそこ良いと思う。

 ………なんで俺自分の評価なんてしてんだ?いや、答えは分かってる。現実逃避だ。

 俺は今洞窟にいる。そして、その洞窟から出れないのだ。洞窟の外が見えたとき、俺は真っ直ぐに向かって行ったさ。けど、見えない壁にぶつかって通れなかった。ちょうど洞窟の出口の所に見えない壁があった。自分の持てる全ての知識を生かし、何とか通れないか試してみたのだが全滅。

 だから現実逃避してたんだが………悩んでもなんにもならんな。


「どうしよう。打開策が何も浮かばん。……そういや何で洞窟の中こんなに見えるんだ?」


 先程、現実逃避したせいか周りを冷静に見る余裕が出来た。真っ暗なはずなのに洞窟の中を隅々まで見える。あり得ない。人間の目じゃ絶対に見えないところまで見える。


「……悩んでもしかないか。ラッキーだと思っとこ」


 俺はこれから洞窟の奥に行こうと思う。ここは行き止まりのようなもんだし。今度は奥に行けば何か分かるかもしれないしな。洞窟の奥に行くのに都合が良い。まぁ、自分が人間ではないように思えて気分は悪いがな。ちなみに俺の今の姿は人間だ。顔も多分変わってない、と思う。鏡とか水とか無いから自分の顔は見れないし。




「これは想定外のもんが出てきたな」


 だいたい100メートルくらい進んでいくと行き止まりだった。が、そこにはあるものがあった。そう、


―――ノートパソコンが!!


 とりあえず俺は電源を入れてみる。すると文章が出てきた。


『こんにちは。突然ですがあなた方は死にました。すでに自分が死んでいることを実感している方もいるでしょう。実感していない方も納得してください。


 さて、私が何故君達を生き返ら、いや正確には転生させた理由を説明しよう。君達にはファンタジー世界でよくあるダンジョンの主をしてほしい。もし、これが嫌なら拒否しても構わない。そのときは死ぬかこの世界で生きていくか選んでもらう。元の世界には戻れないよ。君達の世界は死者が蘇ることは出来ないからね。


 さぁ、選んでくれ。





    《yes》 《no》     』



―――…………………………俺、死んだのか。……なんで。……なんで死んだんだよ、俺。


 正直な話、俺が死んだことに実感が持てない。俺が最後に覚えている記憶と言えば友人の家でジュースを飲みながら会話をしていたところまでしかない。そのあとはいつの間にか洞窟の中だ。健康には気をつけていたし、友人が何かするような奴でもない。訳がわからん。

 俺が死んだことは置いておこう。考えても分からないしな。ダンジョンの主か……………俺の考えてるものと同じならしてみても構わないんだが。いや、これは乗るしかないのか。断って、生かしてくれるとは限らない。


―――《yes》


 俺は《yes》をクリックした。すると新たな文章が出てきた。



『ありがとう。私のワガママに答えてくれて。


 早速だが説明しよう。ダンジョンの主は基本的にダンジョンマスターと呼ばれる。ダンジョンマスターはDPポイントと呼ばれるポイントでダンジョンの改築、モンスターの召喚などする。これは全ての説明が終わったあと、ノートパソコンで出来るようになる。


 DPポイントはダンジョン内で死んだ生物を吸収することで得ることが出来る。最初は出来ることは少ないが、自分のレベルが上がるごとに増えていくから安心してくれ。


 ダンジョンは少し特殊で、ダンジョン外とは入り口以外繋がっていない。例えば、ダンジョン外から見て普通の家だったりしても入れば草原が広がっていたりする。でも、家を壊してもダンジョンが一緒に壊れることはない。入り口に関しては絶対に壊れないよ。


 それとダンジョンマスターは外に出ることは出来ない。理由はダンジョンマスターはダンジョンそのものでもあるから。

 ダンジョンマスターが死ねばダンジョンも無くなる。外には冒険者と呼ばれる者達がいて、ダンジョンマスターの命を狙う。ダンジョンマスターが死ねばクリスタルが出るから。クリスタルは生物であれば喉から手が出るくらい欲しい物。そのかわり、ダンジョンマスターは寿命で死ぬことはないよ。それと食事を取る必要もないね。あ、食事を取っても大丈夫だよ。


 ダンジョンに関してはこんな感じかな』



 ダンジョンの外出れないのかよ。今は出れなくてもいつかは出れると思ったのに。

 愚痴を言っていてもしょうがないので先に進めようと画面をクリックしてみる。すると新たな文章が出てきた。



『次にこの世界のことだね。もう分かっていると思うけど、ここは君達の世界とは別の世界だよ。この世界は君達で言うところのファンタジー世界のゲームのような世界なんだ。心の中で"ステータス"と念じればステータスが出るし、特殊能力も普通に存在するし、レベルもある。ゲームが現実化した世界だと思ったほうが良いかもね。でも、絶対に忘れないで。ここはゲームじゃなく、現実だ。普通に死ぬ。それも元の世界では比べ物にならないくらい簡単にね。そこだけ覚えていて欲しい。


 さて、これで私の説明も終わりだ。あなた達に祝福があらんことを』



 その画面をクリックすると、



ダンジョンLV:1 DPポイント1000

モンスター召喚

ダンジョン改築

ダンジョンマップ

吸収



 こう出た。恐らく、これでダンジョンを強化していくのだろう。

 俺は死んだ。それは認めよう。もう自分が死んでしまったことに納得した。いや、納得してはいないがどうしようもないことだ。ただせっかく生き長らえた命、楽しく生きていこうと思う。そう、





―――徹底的に自分自身のために行動する!!




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