フューチャー・ストーリー
運命の歯車が狂いだした時
運命の歯車が狂いだした時
灯せ、希望の光を
灯せ、憎しみの炎を
希望の光が溢れた時
憎しみの炎で満たされた時
世界は
全世界は
本当の始まりを告げる
滅亡の鐘が鳴り響く
光は太陽となり
鐘の音は魔物を呼び起こし
太陽は生命を生み出し
魔物は地を滅ぼし
人は本当の嬉しさを
人間は本当の悲しさを
思うのであろう
思い知らされるだろう
人々は
全人類は
希望で満ち溢れ
絶望で満ち溢れ
美しき世界を
血まみれの世界を
守り続けるのであろう
産み落とすのであろう
私は
我は
希望の神なり
絶望の神なり
「ふぅ・・・で~きたっと」
ウゥ~っと背伸びをしていたときカチャリと音がした。
「フレア~、お前、何してるんだ?」
「うん?小説みたいな詩?う~ん・・・わかんない!!」
「わかんないってなぁ・・・」
そいつはその小説らしきものを読み始めた。
「なんだよこれ・・・地は滅ぶとか血まみれの世界とか・・・」
「まぁ、今の世界を創造して、こうなったんだよ。今はアレだろ?戦争とか・・・」
「あぁ、何で人間って戦争とかすんのかわかんねぇ。人間の頭を真っ二つにして調べて見たいよ・・・」
「ちょっww真っ二つってww怖いよww」
「どーでもいいよそんなこと」
はははと笑い、あいつはこんな質問をした。
「ところでよ、この題名はなんだ?」
う~ん、と悩んで出した結果はこうなった。
「フューチャー・ストーリーってどうよ?未来の物語って意味。これ、未来へのメッセージみたいなもんやから」
「ふ~ん、未来へのメッセージか・・・」
「どうよ?」
しばらく続いた沈黙。
ミ~ンミンミンミ~とセミの声だけがうっとうしく聞こえた。
「いいんじゃねぇの?それ」
「・・・マジで?」
そしてまた沈黙。
「・・・よし、そうしよう」
ミ~ンミンミンミ~。
今日はやけに暑苦しくなるセミの声が、大きく部屋に響きわたったような気がする。