3. 彼女の叔母の励まし
夜会の翌日
あらまあ、なんだか憔悴されているみたいですけど、どうかなさいまして?
え、タウンハウスに行ったらもうあの娘は出発していた?
あの娘らしいといえばあの娘らしいですわね
見かけによらず直情型ですからね
きっと『あんなところで告白しちゃって恥ずかしい、もう王都なんかいられない』とでも思って行っちゃったのね
そんなふうに項垂れていらっしゃるという事は、あなたもあの娘の事お好きだったんでしょう?
好きなら好きと伝えていれば、あの娘があんな風に告白して逃げ帰る事もなかったでしょうに
それでこれからどうなさるのかしら?
このままここで項垂れていても、話しは先に進みませんよ
追いつけなくても追いかけていけばよろしいじゃありませんか
あの娘と正面から向き合って
ちゃんとご自分の言葉で伝えてあげてくださいな
全く…お小さい頃は素直でお可愛らしかったのに、いつからか本音を隠されるようになりましたよね
でもいつまでも本音を隠していれば、欲しいものは手に入りませんよ
ここでグズグズしていたら、あの娘の気持ちが変わってしまうかもしれません
さぁお支度を
可愛い姪っ子ですからね
あの娘には幸せになって欲しいと心から思っておりますの
もちろんあなたにも幸せになっていただきたいと思っております
だけど…泣かせたらどうなるかは、わかっていらっしゃいますよね?
彼女の母の妹
彼の母親付きの侍女
夫は近衛騎士