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第四章:小春目線・再会のあと
「……佐藤、先輩……?」
思わず声に出そうになって、慌てて口を手で覆う。
まさか、こんな形で再会するなんて——
「おはようございます、小春さん!お久しぶりですね!」
後ろから、柴田愛菜の弾ける声がかかる。
振り返ると、彼女がにこっと笑って手を振っていた。
「ほら、今度異動してきた佐藤さん、すっごいイケメンでしょ?
今日から同じフロアになるらしいですよ~!」
「……え?異動?」
「うん。なんか、四月の人事でウチに来たんだって。
小春さんインフルだったから、まだ紹介されてないんですよね?」
——やっぱり…夢じゃない。
この字、この目、この名前——
佐藤先輩が、ここにいる。
「……っ、なんで、今……」
胸の奥が、くすぐったくて、苦しくて、切なくて。
張りつめた糸が、今にも切れそうだった。