第2話 転性。
本日二回目の投稿です。
「うわぁあっ!?」
目覚めた瞬間、腑抜けた声を上げてしまった。けれど、仕方ない。つい先ほど俺は邪竜と闘い、焼かれて死んだ筈なのだから。けれど、そんな火傷跡や所々にできていたかすり傷やら全て形もなくなっており、身体は健康状態そのものだ。あたかもあの激しい戦闘が無かったことのように。
「何故俺は死んでいない?」
そんな違和感を持ちながら、取り敢えず今の状況を確認するために周りを見渡す。しかし、前後左右見てもただただ白い空間が無限に広がっていて、この状況下を乗り越える対処法という対処法は皆無だった。
良かったことといえば、お腹が空いていないからすぐ食料を必要としないことと、体が自由に動かせることか。
「うーん、どうしたものか……」
座り込んで考えていると、突如上空が眩い光に包まれた。
「うっ、何だこの光は!」
目を手で隠しながら光が収まるのを待つ。そして徐々に収まってきた上空を薄目で覗きこむ。
そこには光り輝く女神が降臨していた。白い翼に誰もが振り向いてしまうだろう美貌。その全貌が明らかになっていく。
「お前は誰だ……?」
「私ですか?私は女神フローラです。世界を救い残念ながら死んでしまった英雄である貴方を導くために現れました」
女神フローラ。俺たちの世界で最も信仰されている女神の一人だ。故に知らない人の方が少ないであろう。
今目の前にいる女神フローラが仮に偽者だとしても俺が死んだというは代わりのない真実。本物だと信じておくことが賢明だろう。死の世界で嘘つく意味もないしな。
それにこの神々しいオーラは、普通の者ではないことがわかる。
「貴方にはこの世界に再び転生していただきます」
「転生?」
「つまり、生まれ変わってこの世界で新たな人生を送ってもらうのです」
「なるほど……?でもそれだけだったら干渉もせず出来るはずじゃ?」
「本来は何も干渉せずにそのまま記憶も消去させていただき転生していただくのですが、本日世界を救って頂いた対価として、ささやかですが少しお礼をさせて頂こうかと」
「お礼?」
「はい、記憶の持ち越しと転生先の選択です。細かく指定してこの人とかはできませんが、ある程度選択肢を狭めることが出来ます」
「つまりある程度は選べると……選べるのはどの範囲なんだ?」
「細かく定めてはいませんが、国や街、種族とかは可能にしましょう」
なるほど……結構自由に選べるな。
何を軸にするかか。取り敢えずこの人生仲間皆んなで旅の最終目的でもある邪竜を倒す目標は最低限達成できた。
かといって、それで満足しているわけではない。余生みたくスローライフを体験してみたいし、未だ解き明かされていないダンジョン攻略もしてみたい。
してみたいこと、大事にしてるものを天秤にかけて条件を絞っていく。
よしっ、決めた。
「俺の妻であるヨメナが住んでる街はわかりますか?」
「はい、今はジローナ王国のレグナルトという街で暮らしています」
「ならその街に転生することって可能ですか?」
「はい、可能です。条件はそれでいいですか?」
「はい、お願いします」
「それでは転生させていただきます。最後に貴方に女神の加護を。目を瞑ってください」
俺はそれに従い目を瞑る。次の人生は一般市民としてヨメナを見守りながらスローライフを。
「ではお元気で」
そう耳元で声がした瞬間、俺は驚いて目を開けてしまった。
しかし、女神フローラの姿を見つけることはできなかった。
そう、何故なら。
この一瞬で俺は転生していたのだから。
そして俺はこの瞬間にも更なる驚きを発見、見つけてしまった。
「あうっ!?」
「あら?起きたのねシア」
そうやって駆け寄ってくる彼女は前世でも一番聞き覚えのあるあの声だった。俺の幼馴染であり妻でもあった彼女の名前はヨメナ。つまり俺は自分の子供に生まれ変わったらしい。
本日はもう一回投稿する予定です。
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