第19話 フレデリアの剣。
少し遅れましたが、本日も一話更新。
「別にいいけど、この店にフレデリアに扱えるような剣はないよ?」
ヨメナが何個か順番に剣を持って確かめる。俺は触りはしなかったが、ティアたちも少しは武具に興味があるようで、ヨメナと同じくして剣を持ち上げてみたり近くで眺めたりしている。
「確かに。全体的に重さもかなりあってフレデリアちゃんには扱いづらいかも」
フレデリアも目の前にある剣を一つ試しに持ってみるが、顔からして少し重そうだ。
「確かに重いし私じゃ釣り合わないと思うけど、将来ママみたいに大きな剣を持って魔物とかと戦ってみたいの!だからお願い!今まで以上に素振りも頑張るからっ!」
「フレデリア……」
「どうするのガーネット?」
ガーネットは少し考えてから自分意見を話し始めた。
「私を目指すことは別に構わないけど、フレデリアにはまだ真剣は早すぎるという意見は変わらない。後一年、いえ、二年は待ってもらう」
その意見を聞くとフレデリアは明らかに悲しそうにしょんぼりと下を向いてしまった。それでもガーネットの話は続いた。
「けれど、しっかりと自分で手入れして私が許可するまで買った剣を振らないって約束するなら買ってあげる」
「えっ?それってまさか……」
「うん、好きなの選んできていいよ」
その言葉を聞いてフレデリアの表情はみるみると明るくなっていき、喜びながら早速品定めをし始めてしまった。
「こりゃ時間が掛かりそうだこと」
「ガーネットみたいに優柔不断じゃないと良いわね」
「それはそうだね。けどそれでも時間が掛かりそうだし、私たちはここでフレデリアを見てるからヨメナたちは別のところに行きなよ」
「……そうね、お言葉に甘えさせてもらうわね。じゃあまた後で」
「ああ、また後で」
そう言ってガーネットとそのメイドであるミラを残して俺たちは前に進んだ。
「シア様、ヨメナ様、次はあの屋台どうですか?串焼きのお肉ですよ!とても美味しそうです!」
「確かに美味しそうだけど……」
「すいませんうちの妹が……最近成長期なのかどうかは分かりませんがこのように美味しそうな食べ物が目の前にあると目がなくて」
「それは別に良いんだけど……」
「ティア、食べすぎると太るよ」
「……ぐっ!?」
早速買ってきた串焼きのお肉を口に入れたティアは、タイミング悪く俺の言葉を聞いて咽せて苦しそうだ。
「なんてことを言うんですかシア様!私の何処が太っていると言うんですか!」
まあ、今は確かに太ってはいない。寧ろ成長期だから沢山食べるのは良いことであるが……それにも限度があると言うわけだ。
「まあ、いいでしょう。食べ物は此処までにします。ではシア様とヨメナ様、あちらのアクセサリーのお店などは如何ですか?」
「いいわね、シアは勿論だけど、ライカたちにもお世話になってるから何か俺をしてあげたいし」
「そんなヨメナ様、私は大丈夫です」
「いいのよ、それに雇い主の言ったことは絶対なのよ。黙って従うこと」
「……はい、ヨメナ様」
お読みいただきありがとうございます。、