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第12話 騒動。
今回主人公は登場しないです。また、短い話になってます。
タッタッタッ。
「追えっ!やつらを逃すな!」
怒鳴り声が響く中、傭兵たちが駆け足で追いかける。その先ににはそれよりも早く動く二つの影があった。彼らの顔はフードを被っていて、昼間にも関わらずはっきりと捉えることはできなかった。
「予想通り警備がざるだったね」
「別にこの時を狙わなくてもこれくらいならいつでも盗んで帰ってこれただろ」
「まあね。でも楽なほうがいいじゃん?」
「俺は別にそうは思わん。それにまだ終わってない。振り切るぞ」
「了解っ!」
彼女は反転しながらブレーキをするように足を擦らせスピードを落とした。
「氷の壁っ!」
一瞬で氷の壁が出来上がり、傭兵たちは滑る足元を制御できずに走る勢いのままその壁に雪崩れ込んだ。
「うん完璧かな」
「おい、悦に浸るな。行くぞ」
「分かったよー」
彼らは再び走り出し、街の影に消えて行った。
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