第1話 悪い竜の話。
この作品は当初書きたいという気持ちだけで雑ながらも一番最初に投稿した小説です。良ければ合間時間にお読み頂けると幸いです。
『かつて世界は悪いドラゴンに脅かされていました。
その悪いドラゴンは気まぐれで街や村を襲っては人々を殺して、何事も無かったかのように去っていきました。
人々はそんな悪いドラゴンを早急に退治しようとしましたが、そのドラゴンは強く凶暴で、国に仕えている騎士や魔導師ですら相手になりませんでした。
人々は悪いドラゴンが自分の街に来ないことをただじっと祈ることしかできませんでした。
しかし、そんな希望もない絶望のどん底で、ドラゴン退治に名乗りをあげる者たちがいました。
「私たちが邪竜を倒してみせましょう」
そう言って悪いドラゴンが潜む大地へと足を運びました。
その者たちは持ち前の身体能力や技術などを武器にしてドラゴンに挑むと、死闘の末、見事に悪きドラゴンを倒すことに成功しました。
こうして人々に平和が訪れました。そして人々はドラゴン退治に貢献したその者たちを英雄とたたえましたとさ』
「おしまい。どうでしたか、シア様?」
「うん、おもしろかったー」
「よかったです、因みにこの英雄の中の一人がシア様のお母様であるヨメナ様なんですよ!」
「なんかいもきいたからもうしってる」
「あっ、シア様っ!」
何度も聞いたことのある話に飽きて、テーブルの上にあった焼き菓子に手を伸ばす。
「うーん、おいしいー!」
「それはよかったです。それでシア様、ヨメナ様はですねーーー」
ああ、また始まったかー、ヨメナの話。遮るのもめんどくさいし軽く聞き流すことにしよう。手に取った焼き菓子を小さな口で精一杯ぱくぱく頬張りながら、メイドのティアの話を適当に相槌する。
うん、紅茶も美味しい。
優雅に過ごしていると、部屋のドアが開いて俺の実の母であるヨメナがメイドを連れて部屋へ入ってくる。
エルフの特徴である長い耳に透き通る金色に輝く髪、豊満な胸。そしてとにかく可愛い。これがヨメナの特徴だ。
そんな可愛いヨメナの娘が俺というわけで、必然と俺はめちゃくちゃ可愛い。自分で言うのも何だが。
しかし俺は特に可愛いことが嬉しい訳ではない。何故なら……
中身は英雄レイ・シルフォニウム。歴とした正真正銘の男だからだ。そして更にいうとこのヨメナという俺の母親は、元俺の妻である。
これで察しがつくとは思うが、そう俺が自分自身の娘に生まれ変わったことになる。
なぜこんなことになってしまったのか、それを知るには俺が死んでしまった直後まで遡る。
同じような名前のものがありますが、基本的にはそちらをベースにリメイクした作品です。全くストーリーは違うかつ、明らかに読みづらいので気をつけてください。
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