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貴方が恋するのはロミオのはずです、ジュリエットお嬢様!

作者: 卜ミモザ

誤字脱字等があればご報告下さい

14世紀、イタリア、ヴェローナ。



このワードが揃っていればとある小説家のオタクならなんの小説かわかるだろう。

そう、偉大なるウィリアム・シェイクスピアの小説、『ロミオとジュリエット』の舞台だ。

わたしはどうやらその世界に転生したらしい。


わたしがこの体に憑依する前の最後の記憶はイギリスだ。

わたしの前世(?)は日本人だったわけだが、なぜイギリスにいたのか。

その問いの答えは簡単だ。

そう、旅行である。

わたしはシェイクスピアのオタクであった。

久しぶりにまとまった休みを手に入れたので前々から憧れていたシェイクスピアの故郷にでも行こうか、と思ったのがことの発端だったのだ。

まさかパブで酔っ払ってテムズ川に落ちるなんて...。

目が覚めたら16歳の少女、ロレンツァになっていた。

その後情報をいろいろ手に入れてここがロミジュリの世界だということを知ったのだ。

わたしの身分は残念ながら平民。


他の人からしてみるとこんな世界まっぴらごめん!という感じかもしれないがわたしからすると、ご褒美でしかない。

なんせわたしの一番好きだったお話がこのロミジュリだからね。


「ロレンツァ!ロレンツァ!!」

「どうしたの?ジェンマ。」

「今度うちで舞踏会が開かれるってよ!

もちろん行くよね!?」


話しかけてきたのはルームメイトのジェンマ。

この子からこの世界の情報は手に入れた。

それよりその舞踏会ってロミオとジュリエットが出会うきっかけの場じゃ...!!


「マジ!?

じゃなくて、ジェンマ、それ本当!?」

「ええ、本当よ!

さっきロミオ様とベンヴォーリオ様が話してるのを聞いたもの。」


わたしが仕えているのはキャピュレット家

キャピュレット家は主人公兼ヒロインであるジュリエットのお家。

ちなみにロミオはこのお話の主人公兼ヒーロー。

ベンヴォーリヴォはロミオのいとこ。


「でもジェンマ、わたし達は舞踏会へ行けないんじゃないの?

だってほら、わたしたちってメイドの身分だし。」

「それがね、ロレンツァ。

舞踏会の日は使用人総動員なんだって。

ということは、必然的に参加できるってわけよ!

もしかしたら玉の輿狙えるかもよっ」

「なるほど!」


わたしは舞踏会に出会いを求めていない。

わたしが求めているのはロミジュリのあの名シーンだけなのだ!

そう、おおロミオ...のシーン。


「楽しみね、ロレンツァ!」

「ええ、とても!」


全シェイクスピアオタクが憧れたあのシーンを見れるかもしれないなんてわたし強運すぎる...。


ーーーーーーーー


そんなこんなで一週間経ち、舞踏会の日になりました。

ちなみにまだジュリエットの姿見れてないんだよね...。

だってこの屋敷広すぎるんだもの!

仕事内容的にも無理だしね。


「ロレンツァ!

蝋燭あと五本持ってきて頂戴!」

「はい、今すぐ!」


メイドの仕事って意外と大変なのよね。

そりゃそうか、うん。


「うおっ」

「もっ、申し訳ございませんっ!!」


やば...。

ぶつかった...。

あれ、この人ってもしかして


「ティボルト様...!!

申し訳ございません!!」


やばいやばいどうしよう。

ティボルトはジュリエットのいとこで物語のキーパーソン。

ティボルトとマキューシオというロミオの友達との喧嘩によって物語は大きく変化するのです!


「ふんっ」


よ...よかった...。

見逃してくれたみたいです。


「ロレンツァ、大丈夫だった?」

「う、うん、平気。」

「今日は機嫌よくてよかったね。」

「本当にそうだわ...。」


ティボルトは原作でも乱暴者として描かれてるんだよね。


「皆の衆!!!!」

「あ、旦那様がいらしゃったわ。」

「今日は特別な日となるであろう。

よろしく頼むぞ。」

「「「「「かしこまりました。」」」」」

「なんとしても舞踏会成功させなきゃね、」

「うん。」


それから30分くらいしてたくさんのお客様がやってきた。


「綺麗なドレスだなぁ。

仮面舞踏会だから素顔は見えない...。

残念すぎる...はぁ。」


くう、どうせ転生するならこういうお嬢様がよかったな。

そしたらロミオやジュリエット、ロザラインにだって近づけたかもしれないのに。


「そこの貴方、水を持ってきて頂戴。」

「はい、かしこまりました。」


ふわあ。

今の人めちゃくちゃ綺麗だった。

仮面越しでも伝わる美人さ!!

ワインではないってことはまだ未成年!?

それであの美人とか死ぬわ。

マジで。


「失礼致します。

お水をお持ちしました。」

「ありがとう。」


くぅ、目の保養!


「あんた、今のロザライン様よ!?

すごいわね!」

「えっ、あれがロザライン様?

まじですか。

死にますね。」

「はっ?

ちょっと何言ってんのよ、まったく。」


あれ?

あの柱の裏にいるのロミオでは?

もしかしてジュリエットに一目惚れした瞬間見れるかも!?


「君!」

「はい!!

なんでしょう、旦那様!」

「あちらの客人にワインを持って行ってくれ。」

「かしこまりました!」


緊張するわぁ、旦那様。

てかこんな時になんで命令してくんの!

やばいじゃん、一目惚れしちゃうかもじゃん!

ロミオが!


そんなことを考えてるからこんなことになったんですね。

はい。

またもやぶつかりました。

今度は別のお嬢様に。


「きゃあっ」

「もももも、申し訳ございませんっっ!!

お怪我はございませんか!?

ないですね!?

すいませんっ!

失礼します!!!」


死ぬ。

美人すぎて死ぬ。

さっきのロザラインの五倍美人だったんだけど、今のお嬢様。

焦りすぎて一瞬で逃げたわ。


「ねえ、あのお嬢様誰かわかる?」


近くにいた使用人に聞いてみる。


「ええ?

あのお嬢様?

ごめん、分かんない。

仮面してるからなぁ。」

「そっか、ありがと。」


あ、ロミオが目を潤ませている...!

視線の先にはやはり女性が...!

目を向けると、そこには先程ぶつかったお嬢様がいた。


「えええええええ!?」


あれが、ジュリエット!?

想像の十倍美人だったよ。

よく見てみると、ジュリエットの様子がおかしい。

頬が照っていて甘い雰囲気が漂っている。

そう、まさに恋に落ちたかのような…。


「いやいや、まさかロミオとキスする前に恋に落ちるわけないじゃん。」


様子を見ていると、今度はロミオが行動を起こした。

ははーん、さてはあのお嬢様の名前を聞いてるね?

てか聞いてる使用人もわたしがさっき聞いた人だし。


「なんて美しいのだろう、まったく!」


ロミオの言葉が聞こえる。

うっ...。

生ロミオ...。

イケボ…。

死ぬ...。

一人で口を抑えて悶絶しているとジュリエットがバルコニーに行くのが見えた。

慌ててわたしもこっそりと後を追う。


ティボルトは...。

うん、しっかり旦那様と口論してるね。

このシーンも大切だから見逃すわけにもいかない。

ティボルトが退場する。

それに入れ替わりでロミオはジュリエットのもとへ向かう。


きました!!

人生を狂わせる恋の始まり!!


「もし...貴方の手が僕の手によって汚れてしまうのなら、許してくださいますか。」


ロミオがジュリエットの手を握る。


「汚れるなんて...。

貴方の手はそんなに汚いのですか?」


ん?

あれ?

セリフ違う気が…?

そんなド直球で言う?


「い...いえ、そういうわけではありませんが。

許してくださいますか?」

「え、ええ。まあ。

だって手を合わせるのは神様へお祈りするようなものですしね。」

「なら、僕の口づけでお祈りしても構いませんね?」


おっ、キスするぞ!

キスするぞ!!


「いや、それはちょっと無理ですわ...。」


ジュリエットはそう言ってロミオの手をはなした。


「「えっ??」」


いやいや、おかしい。

そこは行く末に任せるはずよ?

疑問に思ったのはわたしだけではないようで、ロミオも非常に困った顔をしている。


「申し訳ございませんがわたくしには想いを寄せている方がいるのです...。

わたしの純潔はあのお方に捧げるつもりなのです。」

「え…あ、そ、それは大変失礼いたしました…。」

「お嬢様、奥様がお呼びです。」

「わかったわ。

すぐ行くわ、ばあや。」


ジュリエットはそのままロミオに一瞥もくれずに大広間へ戻っていった。

恋する相手を探すような目つきで...。


ロミオはばあやと呼ばれた人に尋ねた。


「奥様とは、誰のことですか。」

「キャピュレットの奥様に決まってるではありませんか。」


ばあやとの入れ替わりにロミオの親友、マキューシオが来る。


「どうしたんだロミオ、酷い顔だぞ。」

「なんてことだ、僕はキャピュレットの娘、ジュリエットに恋をしてしまった!

この恋は偽物ではない...。

本物の恋だというのに...。」


ロミオ...。

わたしもびっくりだよ。

原作とは全く違う展開になるなんてさ...。

まあ、あのバルコニーの有名なシーンで二人はしっかりと結ばれるはずよね!?

ほら、ロミオが最初ロザラインに恋をしていたようにジュリエットもそういうパターンだと思おう!


ーーーーーーーー


客人が皆いなくなった頃、ジュリエットはジェンマにとある使用人の名前を聞いていた。

「ちょっと貴方いいかしら?」

「は、はい。

なんでしょう、ジュリエットお嬢様。」

「あそこでワイングラスを片付けているメイドの名前をご存知?」

「はい。

存じております。」

「教えて。」

「ロレンツァ...と申しますがどうかされましたか?」

「いいえ、なんでもないの。


…下人の、しかも女を愛するなんてなんて酷い恋なのかしら。」

「お嬢様...今何とおっしゃいました?」

「なんでもないわよ。

商人の娘が教えてくれた詩への文句よ。

仕事に戻って頂戴。」

「かしこまりました。」


ーーーーーーーー


「ロレンツァ!貴方お嬢様に何したのよ!?」

「えっなにいきなり。

ジュリエット...お嬢様に?」

「他にいないでしょう。」


なんかしたかね?

もしかしてロミオとの会話見てたの気づかれた?


「あっ」

「えなに?」

「やったわ...。

舞踏会でお嬢様にぶつかったんだよね...。」

「それじゃん!!

もう何やってんのよ、はぁ。」

「怒られるかしら。」

「さあね?

さっさと掃除しよ。」

「うん。」


やばい。

どうしよう。

でもわたしちゃんと謝ったよね?

おーのー。


そういえばそろそろジュリエットが例のセリフをいうはずよね?

あの名シーン!

それを見ない手はない!

よし、こっそり抜け出していくとしよう。


「ごめんジェンマ!

わたしちょっとお手洗い行ってくる!」



ーーーーーーーー


満月の輝く美しい夜。

月が一番綺麗に見えるバルコニーに立っているのはやはりジュリエットだった。

近づけば近づくたびに彼女の声がはっきりと聞こえてくる。


私が隠れている茂みの反対側にはロミオが隠れている。

さあジュリエット、あの言葉を言ってちょうだい!

ほら、ロ? ロミ? ロ ミ オ ?



「…おお、愛しいロレンツァ。

…なぜ貴方はロレンツァなの?」


え、???

わたしのこと?????


「貴方は女でも、下人でもないと行って頂戴!

もし...もしそれが無理ならば、

わたくしは喜んでこのキャピュレットの位を捨てるわ!

そうでなければ、ただわたくしを愛してると言って頂戴よ..。」


エマッテドウイウコト。

ジュリエット?

ロミオはどうなったのよ?

あ、ロミオも非常に困惑してるっぽい。

そりゃそうよね、好きな女が別の人を好きだなんて、ね。

しかもその相手は下人で女って言うんだから。


「キャピュレットがどうだって言うのよ。

わたくしにとって邪魔なのはこの名前だけ。

わたくしはキャピュレットの腕でも脚でも頭でもないはずよ。

名前になんの意味があるのかしら?

薔薇に名前をつけてもそれの香が変わるわけでも、色が変わるはずでもないはずよ。

わたくしはわたくしなの...。

だからこの名前を捨てさせて頂戴よ。」


原作ではね?

ロミオの内容なんだよ?

ここでロミオが喜んで名前を捨てよう、なんて言ってジュリエットの前に現れるはずなのよ。

この場合はわたしが行ったほうがいいわけ?

ロミオが飛び出す気配もないし...。

はあ、もうなるようになれ!!


「お嬢様!!!

それはなりません!!!」

「だっ、誰よ!?」

「わたしは...しがないキャピュレット家の下人でございます!!

勝手ながらお嬢様の独り言、聞かせていただきました!

お嬢様、はっきり申し上げましょう。

その恋はもう諦めてください。

その恋が成就するのはモンタギューの息子と結婚するより難しいのです。

お嬢様はその恋もどきで本当の恋を隠されてしまっているのです!!

心の深淵に尋ねてみてください。

今日出会った殿方でとぉっても素敵な人はいませんでしたか?

もう一度思い直してください。

その、素敵な殿方よりロレンツァとかいう下人のほうが好きなのか?と。

わたしから言えることはそれだけです!!

では!

失礼致します!!!」

「ちょっと待って!」


ふ、ふぅ。

言い切った。

終わった直後、わたしはもといた茂みの中に帰ってきた。

あとは様子を見るのみ。

さあどうなる?


「...あの方は誰だったのでしょう。

わたくしの手を取り、お祈りをしてあげよう、と言ってくださったあの殿方は...。」


お!

いいぞ、いいぞ。

ジュリエット、その調子だ。


「わたくし、あんなに心がときめいたのは初めてでしたわ。

ロレンツァ...にぶつかった時とは比べ物にならないくらい...。

今思い返してみるとあの熱っぽくでも、とても柔らかい瞳でしたわね。

あの美しい水晶のようなものに見つめられていたと、考えるだけでも胸の動きは止まりませんわ。

なぜあのように冷たく対応してしまったのでしょう?

なぜあの願いを断ってしまったのでしょう..。

あの方は、一体誰だったのでしょう...。」


いい感じですね。

ここでロミオがいい感じに入ってくれば...!!


「私も...貴方の天使のような瞳を思い返すたび、胸が締め付けられたように苦しくなるのです。」

「だ、誰!?

わたくしの独り言を聞いていたなんて...。

貴方失礼にも程がありますわ。」

「心からお詫び申し上げます。

それでも、貴方が許してくださらないのなら、貴方の唇で懺悔することをお許しいただけますか?」

「まあ!

貴方は...もしかして先程の?」

ロミオがゆっくりと頷く。

「名前を、聞いていなかったわね。」

「私にも、名前を捨ててしまいたいくらい嫌な名前を持っているのです。

それでも名乗り上げて構いませんか?」

「わたくしから尋ねたのだもの...。」

「私の名前は...ロミオです。

貴方のお父様の敵であるモンタギューの一人息子です。」

「ロミオ!?

ああ、わたくしが恋に落ちたのは貴方ですわ。

お父様の敵でもある貴方ですわ!

わたくしは、なんという方に恋をしてしまったのでしょう!

ロミオ...貴方はどこから入ってきたの?

見つかったら殺されてしまうわ...。」

「運命が...。」

「え?」

「運命が私をここに連れてきたのです。」


ま、まあ感動的なシーンになったかな?

いやあ、少しの出来事を恋だと感じてしまうなんてウブなお嬢様だねえ、やれやれ。

さて、わたしの役目は終わったことですし帰りますか。


「ところで先程わたくしに声をかけてきた下人は誰なのでしょう?」


びくっ


「今もいるのかしら。

ねえロミオ、茂みの中をみて回ってくださらない?」

「もちろんですとも。」


やばっ

逃げなきゃっ!!


「うん?

そこにいるのは誰だい?」


だ、誰でもありませんっ

逃げますっ

そうしてわたしはなんとか逃げ切ったわけだが次の日からジュリエットがその下人を探し始めたのはいうまでもなく...。


「ジュリエット様最近お屋敷の中でよく見かけない?」

「何か探しているのかしら?」

「随分見ていなかったけどそれはそれは綺麗になられて...」

「お嬢様パリス様と想いあってるんですって!」

「ええ!

あのパリス様と?」

「式の日が楽しみでしかないわ。」

「そういえばジュリエットお嬢様最近外出が多くなった気もするのだけれど気のせいいかしら?」


...いつにも増してお嬢様の噂が絶えないなぁ...。

探してるの絶対わたしだよね?

怖いです。


でももうそろそろ作品通りに進んでいればロミオと秘密の結婚をするはず。

って思ってたんだけど、作品通りにはいかないらしい。

先にパリス様との結婚式の予定が明かされた。

使用人たちが話していたのは本当だったのかな?

ロミオとの恋は一夜限りだったってこと?

ま、まあそんな二次創作もアリか…。


ーーーーーーーー


そんなこんなで結婚式当日。

原作通りならロミオがティボルトを殺しちゃって追放されるんだけど、今世ではそのような悲劇は起きなかった。

つまり、悲しいラストを迎えるってことはない。

ロミオ、もしかしてジュリエットに振られたのかな。


「ロレンツァ!

お嬢様がお呼びよ!」

「か、かしこまりました!」


わたしは何故かジュリエット様の結婚について行くメイドに任命された。

まだわたしへの恋心捨てれてないとか言わないでよね?


「お待たせいたしましたお嬢様。

お部屋に入ってもよろしいですか?」

「入って頂戴。」

「失礼します。」


そう言って扉を開けると中には花嫁姿のジュリエットがいた。


「お嬢様、何かご不便でもありましたか?」

「ロレンツァ、あなたでしょう?

あの晩、ロミオとわたくしを引き合わせてくれたのは。」

「んなっ、なんのことでしょう?」

「わたくしは、今からロミオと駆け落ちします。

ロレンス様が全ての手筈を整えてくださいました。

こうやって、ロミオと幸せの未来へ旅立てるようになったのも、あなたのお陰なのよ。

ありがとう。

お礼に、この宝石をあげるわ。

あなたの身分ならこれだけで一生働かずに生きていけるわ。

屋敷の皆にもよろしく伝えといて。」


わたしに宝石を与えた後、ジュリエットは乳母を呼んでくるようにと命じた。


え、ええ?

なんか原作と色々違うけど、まあ、百合展開にならなかっただけまだいいか。

これもまあ、ロミジュリがうまくいった世界線の二次創作だと思えばいいことだし。

この宝石の種類なんだろう?

後でこっそりジェンマにでもきいてみるか。


「ロレンツァ!

用が済んだなら早く仕事に戻って!」

「はぁーい!」


ーーーーーーーー


その2時間後、ジュリエットの死体が発見され、納骨堂へと運ばれた。

だが、その翌日には誰もジュリエット、そしてロミオの姿を見た者はいなかった。

二人は結ばれ、よその土地で静かに暮らしているだろう。

人々は二人の愛を祝福し、かつては敵同士であった二つの家も手を取り合い、この街を良くしていくことを人々に誓った。


私は元の世界に帰れる兆しはないが今の生活もなかなかいいものだと思って過ごしている。

二人の向かう先に幸あれ。





<貴方が恋するのはロミオのはずです、ジュリエットお嬢様!>

読んでいただきありがとうございました

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