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こんな感想は嫌われる!?作家がモヤる”悪気の無い感想”7選

作者: とびらの

 初めましてこんにちは。なろうに投稿をし始めて七年目になる小説書きです。


 なろうのエッセイジャンルや、TwitterなどSNSでたびたび上がる話題……「感想の書き方」。

 そのコメント欄はいつも賛否両論で賑わっています。


 そう、わたしたち作家陣は、読者さんからの感想をたいへん重く受け止め、日々一喜一憂しているのです。読者の反応は執筆の原動力……それはわたしも、たくさんの感想をいただけた今でも変わりません。


 なかには、厳しすぎる批判や暴言、作者の人格否定もあります。そういったものは誰もが一目瞭然で「なるほどこれは作者さんが気を悪くしても仕方ない」と分かるでしょう。

 しかし「えっこれがなぜ失礼なの?」「作者さん気が短すぎない?」と思うものもありませんでしたか?

 あるいは貴方自身、好きな作品に書いた感想に想定外の返信がきた、悪気は何も無かったのに怒られ、自分だけ返信スルーや削除、しまいにはブロックされたことがあるとか。

 いや、今のところまだ……というだけかもしれません。


「えっ、わたしの感想、だいじょうぶ?」


 と不安を覚えたあなたに、「もしかしたらコレが原因だったカモよ?」という可能性。

「悪意が無くても嫌われる可能性がある感想書き込み」を、実際の作家さんの声から七つピックアップしてお届けします。



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 ……というのは、大前提にしつつ。


 これからの快適な読書ライフの参考になれば幸いです。




 ① 文体がフランクなタメ口である。


 例「主人公つよすぎるやろwwこれはマジキチ」


 内容に関係なく、このフランクな文体、ため口自体がマナー違反であり不快に感じるひとはそれなりにいます。

 しかしなにより問題なのは、その粗暴な印象から「内容も悪いように取られやすい」ことです。上記の例はおそらく「爽快で面白い!」「いいぞもっとやれ」の意で書かれたのでしょうが、ダメ出しにも読み取れます。そもそもタメ口が嫌いな作家さんであればなおさら、批判的意見として読み取りがち。結果、「平和主義者な主人公が努力する系が読みたいならば、ヨソへ行ってください」と拒絶する可能性が高まります。

 読者側にはなんら批判の意図、悪意がなかったのに関わらず、作家に嫌われてしまったのです。

 自分以外のヒトもそうしてるから大丈夫、とはかぎりません。その全員に作者は気を悪くしているかもしれないし、そのひとは特別な親友なのかもしれませんから。とりあえず作家からの返信が丁寧語である感想欄では、読者側もノリを合わせておくのが無難です。



 ② 本来書くべき所以外への突撃。


 感想欄にではなく、なぜかDMで。誤字報告を感想欄へ。誤字報告に「ここは~と表現したほうがより良いのでは?」なんて感想寄りの提案。他人への良作紹介であるレビュー機能を使って酷評。新作Aの宣伝ツイに前作Bの感想。


 「なんでココに書いたの?」ということ、結構よくあります。……なんでですかね?

 傷つく、ムカつくという言葉に当てはまらないけれど、その異様な行動になんとなく不快感を覚える作家は少なくないです。いやほんとなんでだ?

 実際に受け取っての感触としては、「悪気が無い」というよりも「よかれと思って」やっているような気がします。

 作家さん当人以外の他人の目に触れさせたくないとか、特別なルートで送ることで目に留まりやすいという考えでしょうか。返信する側としては個別対応となるため、面倒くさいです。なろうには「感想欄」があるのだから、作家さん自身からそう望まれるまでは、サイトのフォーマットを使いましょう。



 ③ ○○に似ている、△△っぽくて好き!と、他作品との類似を出す。


 こちらもかなりの頻度で寄せられる文言であり、作家側からすると地雷率が高いコメントです。

 おおむね、書き込んだ側に悪気は一切ないでしょう。なんなら褒め言葉で使っていると思います。

 でも、やめときましょう。

 なんでだめなのか説明すると長くなります。一次創作作家としてのプライド、盗作疑惑をかけられてる? という疑い、そもそも知らない作品のタイトル言われても反応に困る、つーか似てないと思うが? など、反論したいことがいっぱいあり、しかしたぶん言っても伝わらないだろうなと面倒になってブロックするのです。

 気にしない、むしろ嬉しいというひともいます。しかしごく限られたシチュエーションでだけ喜ばれると考え、言い回しには慎重を期しましょう。……ていうかやっぱりやめといたほうが無難です。



 ④ 作者の狙い、深層心理、性癖、人となりへの言及。


 例:「あのシーンは生々しいですね~作者さんのリアル体験ですか?」「作者、ハーレムメンバーの中で△△ちゃんヒイキでしょww」「導入部分がカルいのはあえての策略で、なろう受けを狙ってのことでしょうか、お上手ですね」


 これも、喜ぶひとは少なくありません。わたしなんかは「その通り!」と嬉々として語ってしまうタイプです。

 しかし嫌がる人は猛烈に嫌がるということと、書き方が難しいのでどうか慎重にと念を押したい文言です。完全に下品なセクハラになっているパターンも散見されます。またその推察が見当違いだった場合、とても反応に困ってしまいます。内容的にはベタ褒めであっても、やめたほうが無難かもしれません。もちろん、「恋愛描写が薄っぺらいですね、作者の経験値が透けて見えてしまいました」なんて批判的な文脈で使うのは最悪の悪手です。だいたい外れてるしな。



 ⑤ 展開予想、リクエスト。


 例:「このあと追放されるんですねわかります」「決勝戦は△ちゃんと○くんの一騎打ち展開おねしゃす」など。


 感想の数が増えれば必ずと言って良いほど寄せられる文言です。これに対しての反応は、作家によって大きく違います。わたしはむしろ嬉しい&気にしないです。しかしこれを書かれるともう続きが書けなくなる、というくらい激烈に苦手な作家さんもかなり多いです。

「予想」をされてしまうと、そこから外さなくてはいけない=プロットを捨てて新展開を考え直さなければならない→思いつかなくてエタ。

 あなたの好きな作品、楽しみにしているそのクライマックスが二度と見れなくなるかもしれません。

 どうか慎重にお願い致します。


(『この先の予想』ではなく、『本作に書かれなかった過去、枝葉エピソードを追加して欲しい旨のリクエスト』ならいいんじゃないかな……「○くんと△ちゃんの出会いエピソードとか知りたいです」とかならたぶん……いやどうだろ。わたしもわかりません。難しい……。)



 ⑥ 他作品を落としての持ち上げ。


 例:「おなじVRMMOモノである○○○より今作品のほうが面白いですね!」「近年のランキングはクソばかりでしたが御作は素晴らしい」


 これはわたしがキッパリと大嫌いです。やめてください。

 書き込む側はほぼ100%悪気は無い……少なくとも当作品に対しては……なのでしょうが、それはただの他人の悪口です。

 たとえ内心喜んでいても反応に困るのです。その◯◯◯の作者さん自身やファンである読者が、その感想欄を見ているかもしれませんから、ぜったいに同意できません。

 そして自分自身、その作品のことが好きだったりもします。そうでなくても、同じ創作者をリスペクトしています。悪口を聞かされるのは不快です。迷惑です。やめましょう。



 ⑦ ブクマ、評価、書籍の購入をしていない。


 ……いや、強制じゃないんですよ? ええ、わたしは気にしません。無料で無報酬でも読んで楽しんで頂ければ幸いでハイ全然何にも問題なく、読者さんは読書を楽しめば良いんですハイ。

 けど、こう……あの、こう…………。


「この作品、大好きです!! もう何回も何回も読み返してます!!! 今まで読んだ小説でいちばんのお気に入りです!!!!」


 と書いたユーザーさんのマイペを、たまたま、見に行くことがあって、あのその、ブクマや評価をした作品一覧に拙作が無いと、ン?あれれ?アッそうなんだ… ってなったりならなかったりっていう……。

 いえほんとぜんぜん良いんですけどね!!




 いかがでしたか?


 ここまで読んで、


「ええっ……なんかもうわからん! そんなに気を遣わなきゃいけないなら感想言うのやめるわ!」


 ってなったひともいるでしょうか。


 いいえどうか、怖れすぎないでください。

 最初に強調したとおり、結局のところ作家それぞれによるのです。

 「イヤだっていうひともいるかもしれない」でいえば、この七つ以外にも無限にありえます。そのすべてを絶対に踏まないよう言葉を選ぶとしたら、本当に何も言えなくなるでしょう。

 多くの作家は、感想を栄養にして執筆を続けられています。

 このエッセイでは「こういうこともある、そういうひともいる」ということを雑学程度にお話したまで。


 読者様は、なんぞあったときに慌てず逆ギレせず、「ああこの作家さんはコレが地雷なひとだったんだな。次からはやめとこう」と改めれば、以後も友好な交流と読書を楽しめるかと思います。どうぞこれからも、応援の声をどしどし届けてあげてくださいね。


 そして、自分は平気だというひとがいても、地雷だというひとを責めないこと。

 また自分は地雷であっても、書き込んだひとに悪気はないかもしれないのだから、拒絶以上の制裁を与えようとまではしませんよう。

 読者さんにも作家さんにも、お願いしたいです。



 ………それでもなおめんどくさい、怖いっていうひとへ。


 当方のTwitterで盛大にバズり、多くの作家さんから「その通りだ」と同意をいただけたツイートを転載しておきますね。

 ご笑納ください。



【 作品への感想は、鳴き声で大丈夫です。

 「ア”ッ……!」とか「うぎゃあ!」とか「ウォォオ!!」とか、「ひぃ」「ぴえん」とか。

  ぼくたちは文章のプロです、読解なら任せてください。なんの憂いもなく、

  「うわらば!!」とだけ鳴いてくだされば

  ちゃんと(自分の都合のいいように)受け取ります!! 】

あなたの地雷はありましたか?

ぜひ何番は自分もダメだとかOKだとか、あなたのご意見を、当エッセイの感想欄や読了ツイートにお寄せください。



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[一言] 一度、アドバンスを書いてBANされた経験としては、褒めることがあっても根幹のことに対して何も言わない様にしてる。
[良い点] 面白すぎる観点。 笑ってしまいました!この観点での作品を楽しみにします! あっ!でも、わりとブクマもお気に入り作家もつけますが・・・心酔しきらないと非公開は解除しないです! そこは悪しか…
[良い点] 2月に投稿したばかりの者です。あなたの7つの視点全て書き手にはショックのものばかりです。 なので、私は感想受付は拒否してます。 感想OKの人は勇気がある人だと思います。 自分はこんなの駄作…
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