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Case 98「カロルはスカートを履くのか?」

新学期が始まってしばらくが経ち、ボクは転送魔法を習得した。その転送魔法は非常に便利で、バイト中におもらしをしてしまった時も自力で替えのパンツを家から転送できるようになった。学校でおもらしをしてしまった時は相変わらず保健室のパンツを使うが。(保健室に来た人の状況記録のためらしい)


そんなある日曜日のこと。ボクはカロルの家を初めて訪れた。

(ドアのチャイムを鳴らす音)

パライプ「はーい。」

未青「こんにちは。君は…カロルの弟さん?」

パライプ「うん。キミが兄ちゃんのお友達の未青くん?スカート履いてるけど。」

未青「そう。お兄ちゃんは今どこにいる?」

パライプ「兄ちゃん?兄ちゃんならさっきションベン漏らしたからシャワー浴びてるよ。だから待ってて。」


カロルの弟さんが出迎えてくれた。その肝心のカロルはさっきおもらしをしてしまってシャワーを浴びているから、それまでテレビを見て暇を潰した。2年前の春、ちょうどボクが転生する少し前に始まったアニメのエルフ語吹き替え版だ。この世界でも続きが流れていたから運よく転生後も見続けることができた。そんな作品だ。


それからしばらくして、カロルがリビングにやってきた。

「あー未青くん来てたの?ごめんね俺さっき間に合わなくて…」

「待ってたよカロル。」


その後はカロルのお母さんが持ってきてくれたジュースを飲みながらカロルといろいろおしゃべりする。テレビに映っているアニメの内容に突っ込んだり、学校のことを話したり…


すると…

「未青くんってさ、いつからスカート履いてるの?」

「転生した少し後からだよ。」

「そうなんだ凄い…」

「えへへ…」


そういえばカロルと出会ってから家に彼を招いたことは何度かあったが、必ずと言っていいほどスカートを履いている状態だったっけ。最初はカロルもびっくりしていたなあ。


~当時の回想~

「ねえ、本当に未青くん?」

「うん。」

「マジで!?違和感全くない…」

~回想終わり~


ふと思えば、スカートを履いている時におもらしをした場合、スカートを上から大事なところを押さえているか座っている状態以外では、おもらしをしてもスカートが汚れることがない。シャピアさんも、


~回想~

「未青くんには家ではスカート履いてくれていた方が、おもらしで洗濯物が増えるなんてことがなくて私としては楽なのに(苦笑)」

~回想終わり~


なんてことを言っていたっけ。


するとそれを思い出したボクは、カロルの顔を改めて見る。まあ今更わざわざ確認しなくても分かってはいるが、ボク同様に女子っぽい中性的な顔つき体つきをしている。


「ねえカロル…。」

「なに?」

「カロルもさ、スカート履いてみる?」

「え?」


カロルはびっくりしたような顔をしている。まあ当たり前の反応ではあるのだが。

「さっき思い出したんだけどさ、実はスカート履いてる時っておもらししてもスカート汚れないことがまあまああって。」

「そうなの?」

「うん。カロルもよくおもらしするじゃん。だから、スカート履いた方がいろいろ洗濯物減るだろうからいいかなって思って。ぶっちゃけその辺どう?カロルの洗濯物とか。」

「ああ… 俺がおもらしして洗濯物が増えるってことが毎日のように増えてるよ。」

「やっぱりそうなんだ… じゃあなおさらカロルはスカート履いてみた方がいいんじゃない?」

「ええ… でも大丈夫かなぁ…」

「今だけなら大丈夫!」

「うーん…」


カロルがまだはっきりして結論を出せない中、ボクは投影魔法を使い、カロルの体にボクがよく履いている水色のデニム地のギャザースカートを映し出した。カロルはもともと半ズボンを履いているから、まるでカロルがそれを履いているかのような状態に見える。


「うん!かわいいよカロル!」

「なんだかちょっと恥ずかしいよ…」

「最初はやっぱりそうだよね。ボクもネルルもそんな感じだったなぁ…」

「ネルルくんにもスカート勧めたの未青くん?」

「うん。ネルルって家に二人の転生者のお姉さんいるじゃん。だからそれもあってすんなり。」

「へえ…」

「だからカロルもワンチャン…」

「ええ… リカ(カロルの妹)やお父さんお母さんがどう反応するか心配だよ。」

「大丈夫だよ今だけなら。部屋に入ればいいって。」

「まあ未青くんがどうしてもって言うなら… 今回くらいならまあ…」

「本当!?」


ちょっとボクが引っ張りすぎたところもあったかもしれないが、カロルはスカートを履くことにチャレンジしてみるようだ。いつだったか「転生者は引き取ってくれた癒師に似るところがある」なんてことを聞いたことがあるが、まさにその通りかもしれないとボクは今思った。


「どれがいいかなあ…」

転送魔法で家のクローゼットにアクセスし、どのスカートがいいか迷う。カロルに似合いそうな青系の色一つとっても、今クローゼットにあるものはまあまあある。


「やっぱりこれにしよう。その方がカロルも気が楽かもしれないし。」

そう言ってボクは、さっき投影魔法でカロルの下半身に映した水色のデニム地のギャザースカートを手元に転送した。黒い一分丈のスパッツも一緒に。

「あ… ありがとう未青くん…」

「さあさあ、早速履いてみてよ。」

「うん…」

そう言ってカロルはズボンを脱ぎ始めた。ボクはその間別の方向を向く。


「いいよー。」

カロルにそう言われボクはカロルの方を向く。すると…


「わぁ~!」

そこには水色のギャザースカートを履いているカロルがいた。青い髪の毛と耳をしているからか、色味が非常にマッチしている。Tシャツと靴下は男もののままだが、そんなことは全く気にならない。


「カロルとっても可愛い…」

「脚が…スースーする…」

「ボクも初めてスカート履いた時はそんな感じだったよ。でもすぐ慣れちゃうよ。」

「そうなの?」

「うん!」

「スカート履いて『俺』ってなんか変じゃない?」

「まあ『俺っ()』っていうキャラもいるし… ていうか学校の5組に自分のこと『俺』って呼んでる獣人の女の子いるじゃん。」

「ああいたなそういえば…」


それからしばらくカロルとボクはスカートのことでおしゃべりをした後、漫画を読み始めた。いずれもボクが前いた世界で出版されている漫画、いわゆる「裏世界漫画」というやつだ。


(カロルの笑う声)

漫画を読んでいる最中…


「カロル。」

「なに?」

「スパッツ見えてるよ。」

スカートの中からスパッツが見えているカロル。

「マジかよ…。」

スカートを直してスパッツを隠すカロル。カロルはとても恥ずかしそうだ。


「まあボクも最初はこういうのよくあったよ。」

「そうなんじゃないかと俺も思ったよ。(苦笑)」


それからしばらくして帰る時間が近づくき、カロルはズボンに履き替えた。

「はい。」

「ありがとうカロル。スカートのこと、お父さんお母さんに相談してみて!」

「ま、まあ… 後で相談はしてみるよ…」

「うん。じゃあね。」


こうしてボクはカロルの家を後にした。


その1週間後。

(家のドアチャイムが鳴る音)

「はーい。」

「未青くん。」

「あーカロル… って待ってカロルスカート履いてるじゃん!」


カロルはなんと紺色のデニム地のミニスカートを履いてボクの家に来た。

何でもボクが帰った後の夜、カロルはなんとスカートを履いてもいいかを本当にご両親に相談したのだ。もともとおもらしというスカートを履く以上に恥ずかしいことを毎日のようにしているから、相談には少し勇気を出す程度で済んだという。


~回想~

カロルの父「カロルがスカートねぇ… まあカロルのこの顔つき体つきなら違和感ないかなぁ…」

カロルの母「未青くんの言う通り、カロルがおもらししても洗濯物が減る可能性が上がるならまあいいんじゃないかしら。」

~回想終わり~


という結果が出て、家の中かボクの家に行く時に限って、なおかつスカートの下にスパッツを履くことを条件に、カロルのご両親はスカートを履くことを許可してくれたのだ。


「いや許可出た時はびっくりしちゃったよ… このスカートもね、次の日早速お母さんが買ってきてくれたやつなんだ。」

「センセイやシャピアさんもボクがスカート気に入ったら早速そんな感じの事してたよ。」

「マジで?(苦笑)」


家に来てしばらくが経った時の事。

「うう… 未青くん… 俺ちょっとトイレ行ってくる…」

「うんいいよ。」


カロルはトイレに立った。しかし…

「あああああ…」

(ビチャビチャビチャビチャビチャビチャ…)


間に合わずトイレのドアの前で盛大におしっこを漏らしてしまった。ボクはすぐにそこへ向かう。


「うぅ… 漏れちゃった…」

「ありゃりゃ… でもさ、スカート濡れてないじゃん。よかったね。」

「それはそうだけど…」


おもらししても服が濡れずに済む。ボクやカロルのお母さんの狙い通りだ。

-新しい設定付き登場人物-

パライプ・ニュームーン (Pallipe=Newmoon)

カロルの弟。8歳。ニュームーン家で一番の年下。一応魔法使い。

性格:いたずら好きで下ネタ好きだが、兄・姉思いの一面もある。

身長:約127cm

一人称:俺

得意属性:水

誕生日:9月21日

好きな食べ物:カレーパン

趣味:ゲーム

特技:早く走ること・サッカー・離れていてもカロルのおもらしにいち早く気づけること

苦手なもの:尿意・暑さ・寒さ

おもらしの頻度:3〜4ヶ月に1回程度

おねしょの頻度:2ヶ月に1〜2回程度

トピックス:カロルほどではないが意外とトイレは近い方。

トピックス2:実は女装に密かな興味を示している。


-アスムール民主国のアニメ事情-

アスムール民主国ではアニメ需要が非常に高く、それらの異種族語吹き替え版も製作されるのが当たり前である。未青の転生前の世界に存在するアニメ、つまり「裏世界アニメ」も人気で、それらも例外なく異種族語吹き替え版が製作されている。

また原版と吹き替え版ではテレビ放送する局が違うのもザラ。例えて言うなら、『呪術廻戦』のエルフ語吹き替え版がTBS系での原版放送から1週遅れてフジテレビ系で放送されているみたいなことが日常的に起きているのである。

放送時間も非常に多様で、全国ネットのネットワークが一般向けのバラエティーやドラマに混じってゴールデン・プライムタイムにアニメを編成するというのも珍しくはない。

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